Mytob作成集団、「スーパーワーム」開発の可能性も

短期間に亜種が相次いで出現しているMytobワームが、「進化するスーパーワーム」である可能性が指摘されている。

» 2005年06月04日 07時29分 公開
[ITmedia]

 Mytobワームの亜種が相次いで出現している現象について、セキュリティ企業Sophosは6月2日、同ワームの作成集団が複合型攻撃を繰り返すことで「スーパーワーム」の開発を模索している可能性があると警告した。

 Sophosの集計によれば、過去48時間で報告されたウイルス上位20種類のうち半分以上をMytobが占めており、全ウイルスに占める割合も42.9%に上っている。

 このうち最も広く拡散した亜種のMytob-CMは、電子メールの添付書類を開くとセキュリティソフトの機能を停止させ、主要セキュリティサイトにアクセスできなくしてしまう。コンピュータには裏口を開き、リモートからシステムにアクセスできる状態になる。

 Sophosのセキュリティコンサルタント、カロール・テリオールト氏は「このような複合型攻撃の威力を過小評価すべきではない。これが一体となれば悪質な攻撃軍が形成される」と指摘する。

 Mytobワームを作成しているのは、Hellbotと呼ばれるウイルス作者集団のようだとSophosは解説。何人もの作者がいることから短期間に違う亜種をいくつも作成できたのかもしれないと分析している。

 「Mytobのソースコードから判断すると、このウイルス作者集団は入念に計画された戦略をたどっており、この繰り返しによってウイルスが進化できるようになっている。少しずつ変更を加えた脅威を多数打ち出すことで、いずれスーパーワーム作成の一助となる不正コードの要素を模索しているのかもしれない」とテリオールト氏は警告している。

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