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» 2005年06月09日 21時29分 公開

オープン化を見越したBEAが取り組むSOAのサポート

企業のシステム開発における新たな手法として、サービス指向アーキテクチャに注目が集まる。BEAのブルース・グラハム氏に話を聞く。

[聞き手:浅井英二、怒賀新也,ITmedia]

 企業のシステム開発における新たな手法として、サービス指向アーキテクチャ(SOA)に注目が集まっている。業務別のシステム機能をサービスとして組み合わせて構築するこの手法については、画期的であるという評価だけでなく、「昔からあったもので言葉遊びをしているだけ」など、ネガティブな見方も存在する。

 これまで、SOAを呼び方も含めて積極的に推進してきたBEA Systemsは、今後の取り組みをいかに考えているのか。米BEAのワールドワイドプロフェッショナルサービス担当副社長、ブルース・グラハム氏に話を聞いた。

米BEAのワールドワイドプロフェッショナルサービス担当副社長、ブルース・グラハム氏

ITmedia SOAについては、「流行語である」とし、あえてその言葉を使わないベンダーもあります。そうした見方について、どのように考えますか?

ブルース われわれとしても、SOAが流行語のように取り扱われてしまうことを懸念しています。新しい技術が出てきたときによくあることで、次に、「大した技術ではない」という評判がたち、失意のどん底に落ちていくことになります。

 私としては、SOAは神話でではないと説得するようにしています。再利用可能なソフトウェア、疎結合なアーキテクチャという特徴は確かに新しくはありません。BEAとしては、Tuxedoビジネスをやってきています。Tuxedoに携わった人の中には、TuxedoこそがSOAであると言う人もいます。重要なことはオープンスタンダード化が進んでいるという点なのです。

 米国で開かれたアナリストカンファレンスにおいて、Sony PicturesがSOAを導入し、すでに「第2世代」に入っていることが紹介されました。BEAはSOAの基礎的な布石を敷いてきており、より現実的な世界を見てきたといえます。また、取引先も早期採用者も多いのです。

ITmedia BEAが早期導入者を獲得できた背景にはどんな要因があると考えますか?

ブルース 企業のITを支えるCIOにはITに対してポジティブな人と、ネガティブな人の2つにわけられます。ハーバードビジネススクールが出した『IT Doesn't matter』が話題になったように、企業はここ数年間あまりに悪い経験をし過ぎたのかもしれません。

 成功している企業の多くは、3年程度の先を見越したビジョンを持っています。最初はラフでも、少しづつ段階を経て、それを実現しようとしています。

 ジェームズ・ボンドの映画に「Licence to Kill」があるのと同様に、「Licence to Consult」があると考えています。他社を悪く言いたくはありませんが、あまりにもいろいろなものを網羅しようとして、学術的な機能にフォーカスしているベンダーも多いのです。その意味で、標準にフォーカスし、ベンダーの特定の技術に閉じ込められることを避けようとするわれわれのアプローチは非常に現実的なものです。

 一方で、エンドユーザーがSOA導入に際して気をつけるべきことは、Siebelの営業システムに代表されるような一番上にある抽象的なレイヤーと、基盤となるシステムを切り離しておくことが重要です。

ITmedia Webサービスにおいて、トランザクションにかかる時間など、SOAを実現するための技術に未熟さはありませんか。

ブルース 標準というのは次第に成熟していきますが、WSDLをはじめ、SOAを支える技術の多くがすでに、かなりの部分で成熟しています。今後、ベンダーはいろいろな場面で支援をしていく立場にあります。たとえば、Sony Picturesでは、かつては自社でさまざまな情報技術を構築しなくてはいけませんでしたが、現在は、ベンダーがいろいろな局面でサポートできるようになっています。

 それらは、おそらくバランスの問題でしょう。早期の導入者は、自らシステムを構築しながら、それなりのメリットを享受してきました。一方で、後発者は、ベンダーからパッケージ化されたツールなどを初めから利用することができるわけです。

ITmedia SOAに移行することに責任を持っているCIOはどのような考え方をしていく必要がありますか?

ブルース よくある間違いは、技術だけを見てしまうことです。実際には、組織にかかわることになり、中央集権的な考え方でシステムを再構成することになります。そして、その場合、米国で言えば州レベル、日本なら県レベルで、権利を捨てなくてはならないケースも出てくるのです。それをどのようにまとめるかが1つのカギになります。



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