Salesforce.comの新バージョン「Summer '05」には、日本からの声が数多く反映されているという。
セールスフォース・ドットコムは7月7日、プライベートイベント「Summer'05 Customer Success Forum」を開催し、米セールスフォース・ドットコム CEO マーク・ベニオフ(Marc Benioff)氏が、新バージョン「Summer '05」を説明した。
ベニオフ氏はこの1年間について、「昨年の夏時点では導入社数が9800社、ユーザー数14万7000人だったものが、今年の4月末には導入社数1万5500社、ユーザー数26万7000人まで急増した。売上高も前年比84%増、純利益も同902%増と伸びており、飛躍的ともいってよい1年だった」と振り返った。
また、「ただ、ユーザー人数が増えただけではない」ことを強調した。ユーザーの増加以上に、ユーザーのアクセス回数(12億ページビュー)や、APIトランザクション(データ処理件数)といった“ユーザーが使用している証拠”が増加しており、アカウントがあるもののあまり利用しない“幽霊ユーザー”が少なく、ユーザー満足度が高いことを強調している。
ベニオフ氏は「セールスフォース・ドットコムが日本市場をいかに大切にしているか」という点について、「やはり1番目は英語だが、日本市場の要望には次に高いプライオリティとして、意見を取り入れてバージョンアップしている。最新バージョン「Summer '05」の新機能は日本向けといってもよいほどだ」と表現した。
特にsalesforce.comの各種サービスをカスタマイズできる「Customforce 2.0」には、多くの日本の声が反映されているという。
ベニオフ氏は「日本のビジネスプロセスは米国のプロセスとは当然違う。そのような場合でも、Customforceを用いて自分のビジネスに合わせることができる点は、日本企業にとって大きなメリットだろう」と解説した。
Summer '05の目玉ともいえる新機能「Multiforce 1.0」については、「複数のアプリケーションを統合できるプラットフォームである」と表現。「ユーザー自身がアプリケーションを作成できるMultiforceの機能は、まさに日本の仕事の仕方に合っているのではないか」と語った。
実際にMultiforceやCustomforceを利用した独自のアプリケーションのデモでは、「Google Maps」とsalesforce.comを統合したアプリケーションを展示。これは、パートナー企業が作成したもので、salesforce.comのデータベースと連動し、重点的に訪れるべき顧客の位置をGoogle Maps上の地図で表示するというもの。
そのほか、NTTコミュニケーションズでは、Multiforceを応用したCRMアプリケーション「Customer Connect」を作成。IP電話が掛かってくるとSupportforceが立ち上がり、各種データを参照できるCRMシステムを披露した。
ベニオフ氏は、「Multiforceの登場により、これからはユーザー自身がほしいアプリケーションを、自分自身の手で作成する時代になった。アドオン機能や独自仕様を好む日本ユーザーには大変好まれる機能なのではないか」と語り、講演を締めくくった。
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