5月に設立されたSELinux Policy Editor ProjectがSELinuxの設定を簡易化するためのツールである「SELinux Policy Editor」のバージョン1.0をリリースした。
SELinux Policy Editor Projectは、SELinuxの設定を簡易化するためのツールである「SELinux Policy Editor」のバージョン1.0をリリースした。5月末にプロジェクトが発足してから初の成果物と言える。
SELinux Policy Editorは、GUIと「Simplified Policy」(単純化ポリシ)から構成されるツール。Simplified PolicyはSELinuxの多すぎる設定要素の統合およびラベルの隠蔽を行い設定を簡略化するもの。単純化ポリシの仕様書(PDF)も用意された。
今回のバージョンでは、Fedora Core 3および4のサポート(4を推奨)、ディストリビューション依存部分の切り離しなどが行われている。また、GUI無しでも単純化ポリシを使えるよう単純化ポリシーとGUIを分離したほか、RPMパッケージやドキュメント群も用意された。ライセンスはGPL。
また、開発中のバージョンが「バージョン1.1.x」として公開されている。現在公開中のバージョン1.1.0では、crond、グラフィカルログインが利用できるようだ。
同プロジェクトでは今後、対応デーモンの拡充やポリシの自動生成機能などに取り組んでいくとしている。
現在、SELinuxの開発スタンスは、「SELinuxを深く勉強してからでないと設定をいじることは許さない」といったある種高尚なものとなっており、開発者側が想定する知識レベルに達するのは困難な部分もある。SELinux Policy Editorのようなツールが普及することで、SELinuxをユーザーの手に負えるものにしたいという思いがあるようだ。
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