今後、何気なく見ている商施設のディスプレイ内容が目まぐるしく書き換わる日が近いかもしれない。HITACHI uVALUEコンベンション2005で日立は、商空間のITを具体化して見せた。
東京国際フォーラムで7月20〜21日に開催されたカンファレンス「HITACHI uVALUEコンベンション2005」。日立はこのカンファレンスで、来るべき生活圏のIT化事例をいくつも見せた(関連記事)。開発から販売までさまざまな段階の製品が揃った。
商施設を中心にIT化が進んだ場合、顧客にどのような付加サービスを提供できるのか? ベンダーはどのような顧客ニーズを把握できるのか? そしてIT化が今後の競争力となるのかなどがHITACHI uVALUEコンベンション2005で示された。ユビキタス実現でビジネスにどのような広がりがもたらされるのかも、大きなテーマだ。
商施設のIT化として盛んなのは、次のような点。
これらの付加サービス、防犯、そして顧客ニーズの把握という側面から、ディスプレイや映像記録、データ解析それぞれの高度化がポイントとなっている。
展示テーマの1つ「アトラクティブ・コミュニティ」では、魅力ある商空間作り、スムーズな移動交通支援それぞれをテーマとしたソリューションが展示されていた(関連記事)。
展示されているソリューションの多くでは、LCOS方式リアプロジェクタ(70インチ:ES70-116CM、50インチ:ES50-116CM)、プラズマディスプレイ(55インチ:CMP5500WXJなど)が、視覚向上の製品として目を引きつけた。一方、新たな形態として「電子ペーパディスプレイ」も注目されていた。
ミューチップ関連では、クレーンゲームへの適用を始め(関連記事)、ミラー型情報端末「ミラグラフィ」などが展示されていた(関連記事)。ミラグラフィの展示デモは、ミューチップが付けられた衣類をかざすと、試着時に色調の同じ関連商品が表示されるといったもの。
カード情報の漏えいが問題視されているが、指静脈認証を採り入れたATMが展示されていた(下写真)。カード発行時の指静脈登録機器(PCとソフトウェア)と組み合わせたソリューションの展示。
ユビキタスを象徴するユニークなものとして、「レーザ・レーダー流動計測システム」があった。広い空間で人や物体を検知し、「位置」「軌跡」「数」をリアルタイムに把握することができるシステム。
このシステムではセンサーの設置場所によって検出範囲をコントロールでき、統計情報、流動情報として分析することが可能だ。
展示会場には3つのレーザーセンサー(上写真)が設置されており、入場、退出数がひと目で分かる状態にあった。検出データの流れは、レーザーセンサーから制御装置に信号が渡り、IPネットワークを介してデータ処理サーバ上で解析する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.