Novell、SCOの「資産差し押さえ」を要求

UNIXの著作権をめぐるSCOとNovellの争いで、NovellはSCOの言い分に強硬に反論する書面を提出し、裁判所にSCO資産の差し押さえを求めた。(IDG)

» 2005年08月02日 08時34分 公開
[IDG Japan]
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 米SCO Group対Novellの訴訟でSCOが申し立ての内容を修正したことを受け、Novellが強硬な反論に出た。UNIXの著作権は自社にあるとSCOが主張して陪審裁判を求めているのに対し、Novellは7月29日に提出した書面の中でこれに反論するとともに、SCOは急速に資金を使い果たしつつあるかもしれないと指摘した。

 Novellはこれまで2度にわたってSCOの訴訟却下を申し立て、いずれも退けられている。昨年1月に提出した訴状の中でSCOは、UNIXおよびUnixWareの著作権は自社にあると主張。同OSのソースコードを保有していると称するNovellの主張は誤りだとして損害賠償を請求していた。SCOは過去にNovellからUnix Systems Laboratories(USL)の資産を買収。Novellは1993年に、UNIXの商標とUnix System Vのソースコード保有社だったUSLを買収している。

 Novellは引き続き、SCOとの取り引きでは著作権は引き渡しておらず、従ってUNIX著作権を保有しているのはSCOではなくNovellだとする主張を崩しておらず、29日に裁判所に提出した書面でもこれを強調している。今回のNovellの書面提出は、SCOが2004年7月9日に訴状の内容を修正したことに応えたもの。

 書面の反論部分でNovellは次のように記している。「2003年初頭に至るまでSCOはNovellに対し、UNIXの著作権をSCOに引き渡すよう再三にわたり要求していた。この行為によってSCOは、Novellが引き続きUNIX著作権を独占保有しているということを認めている。NovellはSCOの要求をすべて退けた」

 さらにNovellはこう続ける。「SCOの収益は落ち込み、営業損失は増大、現金は急速に減っている。今年10月31日の時点でSCO業務のために残された現金はわずか1100万ドルになってしまう見通しだ。これは、SunおよびMicrosoftとの新規SVRXライセンスの結果として同社が意図的にひねり出した収入のごく一部にすぎない」。

 「Novellはこの訴えの裁定を待つ間、裁判所がSCO資産の差し押さえを命じることを求める。SCOは急速に資産を食いつぶしつつあるからだ」。資産差し押さえは通常、破産申請を控えた企業に対して取られる法的措置。

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