マイクロソフト、Windows Server Systemで.NETの優位性を強調Microsoft Tech・ED 2005 Yokohama 基調講演

Tech・EDは2日目に入り、本格的なテクニカルセッションの数々が開始された。それに先立って行われたのが、新社長ダレン・ヒューストン氏による基調講演である。同氏は11月17日にVS 2005およびSQL 2005を正式発表することを明らかにした。

» 2005年08月03日 16時27分 公開
[柿沼雄一郎,ITmedia]

 パシフィコ横浜で開催中のMicrosoft Tech・ED 2005 Yokohamaでは8月3日、この日より開始されるテクニカルセッションに先立って、Microsoft Corporation コーポレートバイスプレジデント 兼 マイクロソフト 代表執行役社長 ダレン・ヒューストン氏による基調講演が行われた。

マイクロソフト 代表執行役社長 ダレン・ヒューストン氏

 ヒューストン氏は、ITの世界で起こっているテクノロジーの変化について、そしてマイクロソフトがそれに対してどのような取り組みをしているかを説明する。

 現在、私たちの身の回りでは音楽や写真などのデジタル情報が急増しており、またそれを取り扱うハードウェアも常に進化を遂げている。例えばPC1台ですでにテラバイトものストレージを備えることが可能になっており、しかも数年前と比較してはるかに低コストで実現できる。さらにギガビットイーサネットなどネットワークのスピードも向上しており、日本においては光ファイバーによる通信環境が他国よりもはるかに進んでいるため、家庭でもこうしたネットワークによるコンピューティングの恩恵を受けやすい。ヒューストン氏はこうした背景を説明したのち、「今後5年間、そして10年間のイノベーション(技術革新)は過去をはるかに上回るものになる」として、「このような次のIT革新は、ソフトウェアによって行われる」とソフトウェア主導のコンピューティングの未来を予見した。

 「マイクロソフトはこのためにさまざまな努力を重ねている。企業、ITPro、開発者の最大限の可能性を引き出すためにソフトウェアが利用されており、そうした価値をわれわれは提供することができる」(ヒューストン氏)

 さらにヒューストン氏は、11月17日に東京でVisual Studio 2005、SQL Server 2005、そしてBizTalk Server 2006の製品発表会を行うことを明らかにした。

 「サンフランシスコで11月7日に発表されるこれの製品が、時期をほぼ同じくして日本でも発表できるのは、英語バージョンとそのほかの言語のバージョンのソースコードにさまざまな工夫をこらしているから。これは大きな前進と言える。ぜひ発表会に参加していただきたい」(ヒューストン氏)

複雑性を排したITを目指す

 次に登壇したのは、Microsoft デベロッパー部門 コーポレートバイスプレジデントのS.ソマセガー氏だ。

本社の開発部門責任者であるS.ソマセガー氏

 「マイクロソフトにとってすばらしい機会だ。みなさんに最新の技術を披露できるだけでなく、みなさんからのフィードバックを直接もらうことができるから」とソマセガー氏は前置きをしてから、接続性とアプリケーションの開発について焦点を当てたプレゼンテーションを始めた。

 接続性とは何か。そのはじまりは150年ほど前にさかのぼる。

接続性の歴史と、それによって結び付けられている人々の数

 現在のインターネット(.NETプラットフォーム)では、10億人の人々がお互いにつながっている状態にある(2005年予測による)。「こうした環境の中におかれた現在の人々は情報を要求しており、この状態がさらにアプリケーション開発の機会を生んでいる。われわれはそのお手伝いをすることができる」(ソマセガー氏)

 また、アプリケーション開発の歴史では、80年代に起こったオブジェクト指向からスタートして、90年代にはコンポーネントベースでの開発が主流となる。このとき、誰にでも使えるVisual Basicの登場によってプログラミングの民主化が起こり、プログラマー人口が広がったとソマセガー氏。

 現在はサービス指向アーキテクチャの時代であり、その意味はメッセージベースということである。ソマセガー氏は相互運用性をキーワードに、.NETを利用することでたやすくサービス指向アーキテクチャのアプリケーションを開発できるとする。結果的に、.NETの優位性が強調される形だ。

 「2000年に.NETを発表して5年たった現在、接続性を持つアプリケーションの開発に至る大幅な進歩が見られた。いま、.NETのマーケットリーダーシップが全世界的に発生している」(ソマセガー氏)

 これを担う製品群が、現在のWindows Server Systemである。

Windows Server Systemの製品群

 こうしたServer製品群とともに、ソマセガー氏は2つのメッセージを講演の聴衆に伝えた。1つはこの製品群でベストオブブリードを提供していくということ。そしてもう1つはITの簡略化を目指すこと。複雑性を排して信頼性の高いインフラを提供し、TCOを削減する。この2点から、幅広くミッションクリティカルな場面にまで利用できる製品作りを目指すとソマセガー氏は語った。

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