Intel、IDFで新しいアーキテクチャ発表へ

IDFの基調講演の目玉は、2006年後半にデビューする「次世代アーキテクチャ」の発表だ。これは省電力に重点を置き、次世代マルチコアプロセッサに採用されるもようだ。(IDG)

» 2005年08月12日 16時33分 公開
[IDG Japan]
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 米Intelは間もなくサンフランシスコで開催のIntel Developer Forum(IDF)で、プロセッサに採用するアーキテクチャの大きな変更を発表する計画だ。

 8月23日に行われるポール・オッテリーニCEO(最高経営責任者)の基調講演のハイライトは、2006年後半にデビューするIntelの「次世代アーキテクチャ」の発表になると、IDFジェネラルマネジャー、ロブ・チャップマン氏は今週のブリーフィングで語った。そのアーキテクチャの投入予定は、以前に発表されたプロセッサの立ち上げ時期と一致する。情報筋によると、このプロセッサは省電力の設計原則に基づいた共通のアーキテクチャを使用するという。

 オッテリーニ氏は先に、2006年後半に立ち上げる次世代マルチコアプロセッサのコードネームは「Merom」「Conroe」「Woodcrest」になると発表したが、詳細を明かすことは控えた。だが以前から、Intelはこの世代のプロセッサで、ノートPC向けのPentium Mプロセッサから着想を得たアーキテクチャを採用すると見られていた。Pentium Mはクロックスピードにあまり重点を置かず、消費電力の管理に焦点を当てている。

 この動きは、5年にわたりPentium 4とXeonの基盤となってきたNetburstアーキテクチャの終焉を示すように思える。Netburstはプロセッサのクロックスピードを着実に高められるよう設計された。しかし、90ナノメートルプロセス世代の到来と、それに関連する電流リークの問題がその戦略に終止符を打った。クロックスピードが高まるにつれ、そのスピードを達成するために必要な電力も増える。その電力は現行世代のプロセッサ製造機器で作られるトランジスタから漏れやすくなる。

 Pentium Mは消費電力を抑えつつ高性能を実現するよう設計された。この設計原則を、1個のチップに複数の処理コアを搭載するというコンセプトと合わせることで、Merom、Conroe、Woodcrestは過剰な熱を出さずに新たな性能の高みに達することができるだろう。

 MeromはノートPC向けプロセッサで、Conroeはデスクトップ向け、Woodcrestはサーバ向けだ。チャップマン氏は、新アーキテクチャを採用するのはMerom世代のプロセッサが初めてかとの質問には答えなかったが、Intelの計画に詳しい複数の情報筋は、これらプロセッサが初めてだとしている。チャップマン氏は、これらのプロセッサがデュアルコアか4コアについてもコメントを避けた。

 次世代アーキテクチャの詳細は、23日のオッテリーニ氏の基調講演後のマスコミ・アナリスト向け説明会で明かされるという。

 Intelは6カ月おきにIDFを開催し、同社プロセッサを使ったシステムを設計するハードエンジニア向けに次の製品の詳細情報を提供している。同社はこのイベントで、世界中のマスコミやアナリストに向けて大規模な計画も発表している。

 オッテリーニ氏がCEOとして初めて行う基調講演の後には、モビリティ部門幹部ショーン・マロニー氏のノートPC・ワイヤレスチップ市場に関するプレゼンテーションや、デジタルヘルス部門責任者ルイス・バーンズ氏のプレゼンテーションが行われる。バーンズ氏は、新設された同部門で開発中の製品や戦略の一部について初めて公の場で語るとチャップマン氏。

 その翌日には、企業向けのデスクトップ・サーバプロセッサを担当するデジタルエンタープライズ部門上級副社長兼ジェネラルマネジャー、パット・ゲルシンガー氏が、同部門の最新情報を披露する。その後には副社長兼ジェネラルマネジャーのドン・マクドナルド氏が自身の担当するデジタルホーム部門について話す。

 そしていつものようにIntel Labsの責任者ジャスティン・ラトナー氏が締めくくりにIntelの研究開発プロジェクトについて講演する。同氏は、Intelが「自己管理・自己修復システム」と呼ぶものを開発するための「2015 Platform」イニシアティブについて話す見込みだという。

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