運用管理とセキュリティの知を集約――E3ネットワークスとMBSDが合併

E3ネットワークスとMBSDの2社は合併し、新会社「三井物産セキュアディレクション」を設立する。システム運用管理と情報セキュリティという双方の専門性を融合して、企業の情報資産の保全に寄与していく。

» 2005年10月06日 17時32分 公開
[堀哲也,ITmedia]

 セキュリティと運用管理による可用性の確保は1つの潮流となりつつある。三井物産子会社のE3ネットワークスと三井物産セキュアディレクション(MBSD)の2社は10月6日、合併すると発表した。11月1日に誕生する新会社は、システム運用管理と情報セキュリティという両社の得意分野を融合し、企業における内部統制確保のための「情報資産の保全」を目的とした製品・サービスを提供する。

 新会社名は、三井物産セキュアディレクション株式会社。現MBSDの野村一洋氏が代表取締役社長に就任する予定。合併する2社のシナジー効果により、2008年3月期には約100億円(現在は2社合計で約50億円)の売上を見込む。

野村一洋氏 新会社の代表取締役社長に就任する予定の野村一洋氏

 新会社の社長となる野村氏は、セキュリティおけるC.I.A.の原則に触れ、「機密性(Confidentiality)と完全性(Integrity)を確保するだけでは不十分。業界の流れは、これらを確保した上でのアベイラビリティ(Availability:可用性)に向かっている」と合併の背景を説明した。

 両社にとって縁の深いセキュリティベンダーの米Symantecもストレージベンダー米Veritas Softwareを統合しており、セキュリティと運用管理による可用性の確保はIT業界の1つのトレンドといえそうだ。また、4月に施行された個人情報保護法や日本版SOX法への機運が高まるなど、企業にとってセキュリティと運用管理を融合させたITインフラの整備を求める要求は強い。

 E3ネットワークスの清水隆太郎社長も「昨今の運用管理において情報セキュリティは欠かせないものになっている。顧客からの要求に応えるためにMBSDとの合併を決意した」と話し、顧客の要求はセキュリティと運用管理は不可分なものになっている点を強調した。

清水隆太郎氏 E3ネットワークスの社長、清水隆太郎氏

 新三井物産セキュアディレクションでは、当初は両社が培ってきた専門性と技術力をさらに追求しながら、得意分野の融合による強みを生かした新サービスの構築を行う。将来的には、顧客の内部統制やITガバナンスの実現を全面的に支援できる体制を整えていく予定だ。

 E3ネットワークスは2001年3月に設立され、統合運用管理ツール「HP OpenView」をフラッグシップに、ネットワークからデスクトップまでシステム運用管理製品やサービスを提供してきた。一方、MBSDは2004年7月に設立された情報セキュリティに特化した企業で、不正アクセス監視サービスやWeb脆弱性検査サービス、ISMSに基づくセキュリティコンサルティングサービスなどを提供している。

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