日々高度化するスパイウェアに対処、「Spy Sweeper」がいよいよ日本進出

米Webrootの日本法人、ウェブルート・ソフトウェアは12月1日より、コンシューマー向けスパイウェア対策製品「Spy Sweeper 4.5 J」の販売を開始する。

» 2005年10月07日 23時05分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 ウェブルート・ソフトウェアは10月7日、コンシューマー向けスパイウェア対策製品「Spy Sweeper 4.5 J」の販売を12月1日より開始することを発表した。

 ウェブルートは、Spy Sweeperや企業向け製品「Spy Sweeper Enterprise」を開発する米Webroot Softwareの日本法人として今年7月に設立された。代表取締役に就任した井上基氏は「日本でもスパイウェアに対する関心は高まっているし、実際に被害も出ている」と述べ、今後スパイウェア対策の分野が間違いなく「ブレイク」するだろうと予測する。

 というのも「スパイウェアの世界は日進月歩で進化している。Webrootのスパイウェア検出網『フィリアス』では、2005年初頭に比べ4倍ものスパイウェア配布サイトを検知した。また挙動も高度化しており、削除しようとするとPCをクラッシュさせたり、Rootkit技術を悪用して通常のユーザーでは駆除が困難なものなどが登場している」(井上氏)からだ。

井上氏 「日々進化するスパイウェアに対策ソフトウェアの側も追いついていかなければならない。ウェブルートでは3カ月に1回のペースでバージョンアップを行っている」と述べた井上氏

 Spy Sweeperでは、平均して週に2〜3回のペースで更新される定義ファイルを元にスパイウェアを検出、削除するとともに、「スマートシールド」と呼ばれる技術を用いてリアルタイムに警告を出し、スパイウェアの侵入を阻止する。スマートシールドにはスパイウェアの挙動に応じて、ブラウザの「お気に入り」への勝手な登録を阻止するもの、スタートアップフォルダへの登録を阻止するもの、hostsファイルの書き換えを防ぐものなど、いくつかの種類が用意されている。

 海外では10月11日にリリース予定の新バージョン、Spy Sweeper 4.5では、「ActiveXシールド」や「BHO(ブラウザヘルパーオブジェクト)シールド」など、さらに4つのスマートシールドが追加される。これにより、ActiveXやBHOを悪用して不審なプログラムが侵入しようとするのを阻止したり、Internet Explorerの「信頼済み」サイトへの自動登録を防ぐ仕組みだ。

 合わせて、高度化するスパイウェアへの対応を強化する。具体的には、Rootkit技術を用いたスパイウェアの検出が可能なほか、親プロセスが何度も子プロセスをダウンロードしてくる「監視ソフトウェア型」スパイウェアを一度で駆除できるという。また、自身の削除時にOSを道連れにする「人質型」についても、PCをクラッシュさせることなく安全に駆除できるということだ。

 スキャン速度の速さもメリットだ。他のスパイウェア対策製品の中には、HDDの一部のみを対象に高速スキャンをうたうものもあるが、Spy Sweeperではシステム全体を完全に、かつ高速に検査できる点が特徴だという。

 Spy Sweeper 4.5 Jの対応プラットフォームはWindows 98/Me、Windows 2000/XP。パッケージ版はソフトバンクBBや丸紅インフォテックなどを通じて販売され、価格は5600円。またベクターなどを通じ、3800円でのダウンロード販売も行われる。

 さらに「2006年早々にもエンタープライズ版を提供するべく、日本語化を進めている」(井上氏)。提供に向けて大手システムインテグレータ数社との話し合いも開始した。

 なおウェブルートでは、Spy Sweeper 4.5 Jの正式リリースに先立ち、10月17日よりベータダウンロードテストを開始するという。このテストの参加者には、1年分の製品アップグレード/定義ファイル更新が無償で提供される。詳細は、間もなく開設予定のWebサイト(http://www.webrootsoftware.jp/)で明らかにするという。

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