日本IBMが開催した“IBM SOA Summit Tokyo for IT Management”で、米IBMソフトウェアグループのサンディー・カーター氏が“SOAを支えるソフトウェア最新情報:ビジネスの柔軟性を得るためのカギ”と題する講演を行なった。
日本IBMが10月26日に開催した“IBM SOA Summit Tokyo for IT Management”で、米IBMソフトウェアグループ WebSphereマーケティング副社長のサンディー・カーター氏が“SOAを支えるソフトウェア最新情報:ビジネスの柔軟性を得るためのカギ”と題する講演を行なった。
同氏は講演の冒頭で、「2008年までには新規開発の80%はSOAを利用したものとなる」という見通しを示した。その上で、“6カ月でROIを出す5つのSOAプロジェクト領域”を紹介した。
の5つである。これらは、SOA化することの効果が大きく、短期的にもメリットを享受できる分野であり、ユーザー企業が段階的にSOAに取り組んでいく際に、最初のターゲットとして適当だと考えられる分野ということになる。
1.の「顧客と製品上の一元化」では、グローバルにビジネスを展開する企業で、国ごとに異なる製品コードを割り当てていた例などを紹介。SOAによってサービス化し、集中化された単一のビューを与えることで無駄を省き、在庫状況のリアルタイムな確認が可能になるなどのメリットが得られるとした。
2.の「複数の企業/ユーザー/チャネル間でのプロセスの自動化」では、SOAによって標準に基づいた接続が実現できるため、複数組織間でのプロセスの自動化が推進されるという。
3.の「ビジネス・サービスの再利用」は、SOAによる効果が最も期待されている部分だ。SOAの導入によって、サービスの大規模な再利用に必要となる標準と、ガバナンスが導入されることがメリットだという。
4.の「取引先との連携」は、2とも関連が深い。SOAによって、取引先とリアルタイムな連携が実現できる点がメリットだという。
5.の「ビジネス機会の拡大」は少々間接的だが、SOAの導入によって、システムを柔軟かつ迅速に変化させることができれば、市場の変化に即応して新サービスを開発/提供でき、ビジネスチャンスが拡大するというもの。
この5つの分野に対応するシステムでは、SOAの導入をためらう理由はない、というのが同氏の講演の中核的なメッセージである。
さらに、同氏は「SOA実現のためにIBMがご提供するもの」として「スキル」「パートナー」「ノウハウとベスト・プラクティス」「インフラストラクチャ」の4つの要素を挙げ、SOAに積極的に取り組むことで多くの事例を経験していることや、製品ラインアップやパートナーシップの拡大によって、必要な技術要素を網羅しつつあるIBMの現状に自信を見せた。
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