RSSを占拠するポッドキャスト・ハイジャッカー(1/2 ページ)

ポッドキャストのハイジャックはドメイン占拠よりも簡単で、パスワードを盗むなどの明らかな違法行為は不要だ。

» 2005年12月02日 08時48分 公開
[Lisa Vaas,eWEEK]
eWEEK

 初期のころのインターネットを思わせる攻撃だ。ポッドキャスターのエリック・マーカス氏は最近、自分のRSSフィードがどういうわけかリダイレクトされていたことに気付いた。

 同氏によると、サイバースクワッターは全面的に協力してこの状況に対処するのでなく、金を払うか恒久的な契約を結ぶよう要求しているという。同氏は、この新しい形のゆすりに対して法的手段を模索している。

 同氏はVegan.comというWebサイトを公開し、「Erik's Diner」というポッドキャストを配信している。

 この1年、マーカス氏は番組当たり100人から最大1500人のリスナーを獲得した。同氏はここ数週間の間に、Yahoo!がpodcasts.yahoo.comのβ版に同氏の番組のページを作ったことに気付いた。

 しかしそのページには、Vegan.comではなく、Podkeyword.comというサイトへのRSSフィードが置いてあった。

 マーカス氏は、知財問題を専門とする弁護士にあてた書簡をZiff Davis Internet Newsに見せてくれた。この弁護士は、この件で同氏に協力することに同意したという。

 書簡の中で、同氏は1カ月前からYahoo!に繰り返し連絡を取ったと述べている。だがそれに対する返答はなく、Yahoo!はRSSを訂正しなかった。同社にコメントを求めたが、本稿掲載時までには回答が得られなかった。

 マーカス氏は「問題を大きくするよりもつぼみのうちに刈り取る」ために、Podkeywordに直接メールを送ったと、同氏は弁護士のコレット・ボーゲル氏への書簡に記している。

 Podkeywordはマーカス氏の要求を受け入れたが、その後リスナーの数が突然激減したと同氏は言う。同氏は、RSS情報をユーザーから保護しているApple ComputerのiTunesサービスも、PodkeywordのURLを拾っていたことに気付いた。

 「これで番組当たり1000人以上のリスナーを失った」と同氏は書簡の中で述べている。

 同氏はAppleに連絡を取ったが、同社は今のところURLを修正していない。

 同氏はそれからPodkeywordに再度メールを送り、Podkeyword上の同氏のエントリを一時的に元に戻すよう求め、またAppleに修正するよう働きかけた。Podkeywordは、同氏が金(金額は指示されていない)を払うか、永久に条件に従うことに同意しないと修正はしないと回答したという。

 このハイジャックと思われる事件の手口は、RSSフィードがWebサイトドメインよりもずっとスクワッターに弱いことを示すいい例だ。この手口では、パスワードを盗むなどの明らかな違法行為は不要だ。

 それどころか、単に標的となるポッドキャストを見つけて、それに対する一意のURLを作り、ハイジャッカーがコントロールできるWebサイト上に置くだけでいい。それから自分のURLに標的のポッドキャストのRSSフィードを指定する。

 次に、ハイジャッカーは新しいポッドキャスト検索エンジンが市場に登場したときに、各検索エンジンが作成する標的のポッドキャストの紹介ページが、ポッドキャスト作者の公式URLではなく、ハイジャッカーのURLにリンクするようにあらゆる手を尽くす。

 法律事務所Vogele & Associatesの責任者であるボーゲル氏は、今回の件にどの法律がふさわしいのかを判断するため、不当競争、商標侵害または希釈化、コンピュータ詐欺および乱用、不法侵入、パブリシティー権、横領など、多数のアプローチを検討しているとZiff Davis Internet Newsに語った。同氏はスタンフォード大学のインターネットと社会センター(ISC)で非常勤フェローも務めている。

 例えばカリフォルニアのパブリシティー権法は、個人には自分の肖像(おそらくは音声も含む)をコントロールする権利があると定めているとボーゲル氏は説明する。もしもPodkeywordが実際にマーカス氏のポッドキャストから利益を得ているのなら、パブリシティー権侵害で有罪と判断される恐れがあるとボーゲル氏は言う。

ハイジャックから身を守るには

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