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» 2005年12月13日 21時33分 公開

ERP導入効果を事前測定、SAPが“おごらない”新サービス

SAPジャパンは、ERP導入によるコスト削減や売上増などの効果をプロジェクトの企画段階で算出する新サービスを2006年1月に提供開始する。

[垣内郁栄,@IT]

 SAPジャパンは12月13日、ERP導入によるコスト削減や売上増などの効果をプロジェクトの企画段階で算出する新サービスを2006年1月に提供開始すると発表した。サービスを展開する新組織「Value Engineering本部」(VE本部)を2006年1月に設立する。同サービスは3年前から米国で展開していて、「SAPアメリカの売り上げの6〜7割にVEが介在している」(SAPジャパン 代表取締役社長 ロバート・エンスリン[Robert Enslin])という。エンスリン氏は就任会見の際に「顧客価値の向上」を目標に挙げていた。

ロバート・エンスリン氏 SAPジャパン 代表取締役社長 ロバート・エンスリン氏

 エンスリン氏はSAPジャパンのビジネスについて「ITで顧客の成功を支援するのが重要」と指摘し、「アプリケーションを届けるだけでは不十分。顧客の経営陣はIT投資がビジネス全体に価値をもたらすことを期待している」と述べた。また、SAPのVE本部長上野豊氏は「SAPは製品のシェアの高さにおごって製品の価値や機能ばかりを顧客に訴えてきた。しかし、いまは製品の価値だけではなく、ビジネスの価値を明確化することが求められる」と語り、VE本部の意義を強調した。

 VE本部は約10人で立ち上げる。2006年中に 15人まで拡充する。提供するサービスは主に2つ。「SAPバリュー・アセスメント・サービス」は顧客の経営陣などへのインタビューを行い、ERP導入によって期待できる経営効果をプロジェクトの企画段階で算出する。経営効果とはコスト削減や売り上げの向上、シェアのアップなど。海外でのVE本部の実績や、SAPがグローバルで蓄積しているナレッジのデータベースを活用して経営効果を割り出し、顧客企業の経営層がITへの投資を決定するための情報とする。

 同サービスは国内ですでに数社がパイロット的に利用。期間は1週間から4週間。無料で利用できる。SAPのナレッジデータベースには1000項目の経営効果や主要24業種の100以上の調査レポートなどがあるという。「経営層に対して具体的なビジネス上の価値を見せることでシステム導入の説得力が増す」(エンスリン氏)

 もう1つのサービスは導入したERPの効果を測定する「SAPベンチマーキング・プログラム」。SAPアメリカが蓄積した同業他社の業務プロセスと、自社の業務プロセスを比較評価し、改善点を見つけ出すことができるサービス。Webベースのアンケートに答えることで、業務プロセスが優れている同業他社の上位25%、下位25%の企業と、自社を比較する。

 当初の比較対象はSAPアメリカが担当した米国企業だが、日本企業のデータが蓄積されれば、日本企業同士の比較も行う。米国では人事領域、TCO領域、財務会計領域、購買領域などで企業が同プログラムを利用しているという。プログラムへの参加は無料。日本では2006年2月に人事領域から開始予定で、SAPはSAPジャパン・ユーザ・グループ(JSUG)と調整を開始した。「JSUGからは、SAPは製品売り切りの印象があるが顧客に一歩近づいた、と評価されている」(上野氏)という。

 VE本部は顧客に対してサービスを提供すると同時に、SAP内部の営業やエンジニアに対してVE本部のサービスを広げる。トレーニングサービスを用意し、認証資格も設ける。「全社の目を顧客のビジネスに向けさせる」(上野氏)のが狙いだ。

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