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» 2006年01月25日 09時06分 公開

2007年問題と日本版SOXの共通点 (1/2)

日本企業の新たな情報システムを考える上でのもう1つのキーワードとして注目されている日本版SOXと2007年問題への取り組み方には共通点が見つかる。

[谷川耕一,ITmedia]

 谷川耕一

 オンラインムック「構造改革としての2007年問題」

 2007年問題について、「旧来の基幹システムを設計、開発した団塊世代がいなくなり、混乱が起きる」といった、当初懸念されていたようなことは実際には起こらないという考え方が、IT業界全体の見方かもしれない。

 とはいえ、2007年問題を真剣に受け止め、いち早く対策に乗り出している企業ももちろんある。例えば、2005年12月の近畿コカ・コーラボトリングとコカ・コーラウェストジャパンの業務提携の発表文の中には、「両社の熟練社員が定年退職の時期を迎えるいわゆる2007年問題へ迅速に対処を行うため、両社は今後業務システムの共通整備に取り組みます」と明確に記述されている。

緩やかなスタート

 SAPの玉木氏のインタビュー記事にもあるように、この問題は「2007年になった瞬間に爆発するような時限爆弾」ではない。企業には、改正高齢者雇用安定法の2006年4月からの施行により、62歳までの雇用延長が義務付けられる(最終的には65歳になる)。これだけでも、2007年問題発生までに2、3年の猶予ができる。

 さらに、2000年ごろからすでにリストラによる早期退職制度を実施している企業も多い。そのため、50歳代前半で既にいったん企業を退職し、再び何らかの仕事に就いている人も多い。

 つまり、現時点で、約5年前倒しで団塊世代の退職は始まっているとも言える。実際、昨年あたりからメインフレームやCOBOLの案件情報を目にする機会が多くなっている。それと同時に、50歳前後のCOBOL技術者の人材情報もよく目にする。このことからも、2007年問題はすでに緩やかなスタートを切っているのだ。

 だが、早期退職する技術者が、退職間際まで現場でバリバリと開発や運用、保守業務を行っていたかというとそうではない。多くの技術者は、その年齢に達するころには既に職種が変更されていたり、同じ業務に携わっていても管理者的なポジションとなっている。現在取り残されているレガシーシステムの日常的な運用管理業務については、きちんとした企業であれば技術者の世代交代は確実に行われているはずだ。

人に依存しない

 もちろん、担当技術者の世代交代がなされても、複雑化するシステムの中身やそこに詰まっているノウハウすべてが継承されているわけではない。「このことは○○さんに聞かないと分からない」「開発当初のものはあるが、途中で加えられた変更や追加は文書化されていない」といったことが間々ある。

 大きな問題がなければ、そのままの状態で運用されているはずだ。これを明確化すること、つまり、業務プロセスの中で特定の人に依存したブラックボックスをなくすことが、2007年問題の根本的解決策ということになる。

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