Linux対Windows論争、OSDLがMSの「Get the Facts」キャンペーンに反論

OSDLは、Microsoftの「Get the Facts」キャンペーンに対抗すべく、「Get the Truth on Linux Management」と題した17ページの報告書を作成した。そこでは、LinuxがWindowsよりもTCOが高く、システム管理のコストも高いというMSの主張を時代遅れの古いものとして異議を唱えている。

» 2006年02月14日 13時50分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 OSDL(Open Source Development Labs)は、「Get the Facts」(事実を知ろう)と銘打ったMicrosoftのリサーチ戦略に反撃すべく、「Get the Truth on Linux Management」(Linux管理の真実を知ろう)と題された17ページの報告書を作成し、LinuxはWindowsよりもTCO(総合保有コスト)が高く、システム管理のコストも高いというMicrosoftの主張に異議を唱えた。

 調査の実施と報告書の作成を担当したのは、コロラド州ボルダーにあるEnterprise Management Associates(EMA)のアナリスト、アンディ・マン氏である。eWEEKの取材に対して同氏は、「多くのケースにおいて、Linuxの保有コストはWindowsのそれよりもかなり低いというのが、この調査の総合的な結論だ」と語った。

 「以前の各種の調査では、Microsoftと一部のアナリストがLinuxはWindowsよりもTCOが高いと主張した。そして、この差は主としてシステム管理コストの高さにあるとし、Linuxのライセンス/取得コストは非常に低いが、TCOの高さはそれを相殺して余りあると結論付けた」(マン氏)

 しかしEMAによる調査の結果、この認識はもはや正確でないことが明らかになったという。取得コストが遙かに低いため、Linuxは現在、Windowsに代わる費用効果の高い選択肢になっている、とマン氏は話す。

 この調査は昨年秋から冬の初めにかけて実施されたもので、今週公表される。スポンサーとなったのは、LevantaおよびOSDLである。Levantaは、Linuxの管理とデータの仮想化を専門に手掛ける企業。

 調査で明らかになった主要な事実の1つは、Linuxの方が概して生産性が高いということだ。これは、Linux管理者がWindows管理者よりも多数のサーバを管理しているケースが多いことによるもの。また、Linuxシステムの方がWindowsシステムよりも多くのワークロードを処理するケースが多いことも明らかになった。

 調査に回答したLinux管理者の4分の3は、「先進的なツールを使用して1時間以内でシステムを構成できる」と答え、「30分以内でシステムを構成できる」という回答も3分の1に上った。

 Microsoftでプラットフォーム戦略を担当するゼネラルマネジャー、マーティン・テイラー氏はeWEEKの取材で、「ITに関する決定に必要な知識と事実をユーザーに提供しようというMicrosoftの取り組みに、OSDLも加わったことにわくわくしている」と述べている。

 EMAの調査では、数千社の企業のIT部門を電話で無作為に抽出したほか、100社余りの企業を選び、Webを通じて回答を得た。また補足的調査として、13人のCIO/ITマネジャーを選び、詳細な聞き取りを行ったという。

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