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» 2006年02月15日 00時00分 公開

64ビット化の波がサーバ製品に、Exchange 12は64ビット版のみの提供へ (1/2)

Microsoftが提供する64ビット版のサーバ製品は、加速度的に増えていく見通しだ。Exchangeの次期バージョンをはじめ、同社の一部のサーバ製品は、64ビット版のみのリリースになる。

[Michael Cherry,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

 Microsoftは32ビットコンピューティングから64ビットコンピューティングへの移行を積極的に進めており、同社の一部のサーバ製品については、将来バージョンは64ビット版のみのリリースが予定されている。とりわけ、Exchangeの次期バージョンは64ビットプロセッサ対応版しか提供されないため、Microsoftの電子メール製品の最新版を利用するためには、顧客は新しいサーバハードウェアを用意しなければならない。こうしたことから、多くの顧客にとって移行は厄介な作業になるものと予想される。

64ビット版のみの提供になるExchange 12

 64ビット版しか提供されない最初のWindows Server System製品の1つは、コード名でExchange 12と呼ばれ、2006年遅くか2007年初頭のリリースが予定されているExchangeの次期バージョンとなる。このバージョンは、AMDとIntel両社のx64(拡張64ビット)プロセッサ設計で動作するが、Intelの64ビットプロセッサItaniumには対応しない。MicrosoftはExchangeを64ビットに移行しなければならない理由について、電子メールは基幹業務アプリケーションであり、Exchangeの顧客からは、現行システムでは物理メモリが限界に達しつつあり、以下に挙げるような要素の増大に対応しきれないとの声が寄せられているためだと説明している。

  • 電子メールの量(ボリューム)
  • 平均的な電子メールメッセージのサイズ
  • 添付ファイルの使用量
  • 添付ファイルの平均サイズ
  • サーバ1台当たりのユーザー数(サーバの整理統合の結果)
  • メールクライアントの種類(ユーザーがOutlookの他にも、Webや各種モバイルデバイスクライアントを介してメールボックスにアクセスするようになった結果)

 Microsoftによれば、顧客は64ビット版のExchangeにより、サーバではなくメモリを追加することで電子メールの増大に対応できるようになる。また、64ビットへの移行により、顧客はストレージシステムからもメリットを享受できるはずだ。64ビットシステムでは、データのキャッシングに利用できるメモリ容量によって、I/O操作の数が70%程度減ることになる。

 現行の32ビットアプリケーションでも、Physical Address Extension(PAE)やAddress Windowing Extensions(AWE)などの技術を使えば、Windows Serverの4Gバイトのメモリ制限を取り除くことはできる。だが、こうした場合、アドレス可能なメモリ容量は増えるものの、それと同時に多くの制限を伴うため、こうした拡張機能を32ビット版で利用したとしても、顧客が実際に体験しているメモリや性能の問題は解消できなかったはずだとMicrosoftは指摘している。

 64ビット化は顧客にとってだけでなく、Microsoftにとってもプラスとなる。32ビット版を保守モードに移行し、深刻なバグや脆弱性のみを修正し、複数のプロセッサアーキテクチャ向けのビルドを同期化したりテストしたりする必要を排除することで、Microsoftは開発を合理化できるからだ。それに伴い、より多くのリソースを64ビット版の強化に充てられることになる。

 64ビット化の計画は、一部には、市場の状況に駆り立てられた側面もあるだろう。AMDとIntelのx64プロセッサは既に十分な市場シェアを確立しているため、Microsoftはx64アーキテクチャの市場性を活かし、より一層強力なExchangeサーバを構築できる。

 またMicrosoftは、Exchangeであれば、多少強引にでも64ビット化を進められると考えているのかもしれない。なぜなら、たとえ顧客があまり乗り気ではなかったとしても、他の電子メール製品に移行するよりは、サーバをアップグレードする方が、コストがかからずに済むからだ。ただし、その結果、Exchange 12の勢いが削がれることになる可能性もある。Exchange 12では、新しいハードウェア(既に32ビットOSで64ビットハードウェアを導入している場合を除く)、新しいOS、および新しいサーバアプリケーションへのアップグレードが必要となるため、Exchange 2003のインプレースアップグレードを考えている顧客は、そうしたトリプルアップグレードにおそらく二の足を踏むだろう。また、Exchange 2003はWindowsの64ビット版では動作しないため、顧客は次期バージョンに徐々に移行することはできない。

 中小規模の顧客やパートナー企業は、64ビットの要件に驚かされるかもしれない。この市場をターゲットに据えた2つの製品、Small Business Server(SBS)とCentro(中規模企業向けに計画されているサーバインフラ技術セットのコード名)には、Exchangeコンポーネントが含まれている。Exchangeの次期バージョンが64ビットシステムにしか対応しないため、SBSとCentroの将来版でも64ビットのハードウェアとOSが必要とされることになる。

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