Sun、エンタープライズJava開発環境の新版をβリリース――Javaの配備とWebサービス開発の簡素化が狙い(1/2 ページ)

Sunは2月21日、ソフトウェア開発キット「Java Platform Enterprise Edition 5」と「NetBeans Enterprise Pack 5.5 Software」のプレビュー版リリースを発表した。Web/エンタープライズアプリケーションの開発を容易にするという。

» 2006年02月23日 17時00分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 Sun Microsystemsは、ソフトウェア開発キット「Java Platform Enterprise Edition 5」(Java EE 5 Platform)および「NetBeans Enterprise Pack 5.5 Software」の各プレビュー版をリリースしたと発表した。

 2月21日に両製品のβ版を発表したSunによると、これらの技術は、Webサービス/SOA(サービス指向アーキテクチャ)アプリケーションを構築・配備するための次世代のJavaプラットフォームとツールを開発者に提供するという。

 また、今回の新βの開発では、オープンソースの「GlassFish Project」およびNetBeansコミュニティーも貢献した、と同社は話す。

 このところ、Sunから開発者向けの発表が相次いでいる。「NetBeans 5.0」「Java Studio Creator 2」「Java Standard Edition 6」(コードネームはProject Mustang)「Java Studio Enterprise 8」「Sun Studio 11」などが最近発表され、同社によると、現在、これらはすべて無償で開発者に提供されているという。

 カリフォルニア州サンタクララを本拠とするSunのJavaプラットフォームチームで副社長兼フェローという肩書きを持つグレアム・ハミルトン氏によると、Java EE 5 Platformは、エンタープライズ開発プログラミングモデルのメジャーアップグレードとなるもので、Webサービスおよびトランザクションコンポーネントなどの分野でJava EE開発を大幅に簡素化するという。

 ハミルトン氏は2月21日付のブログの記事で、「本日、Java EE 5がβリリースされた」と記している。

 「わたしは、これがどれほど重要な出来事であるかをSun社内の人間に熱心に説いてきた。Java EE 5のリリースは、開発者にとって2006年最大のイベントになるだろう。Tiger(Java SE 5)やMustang(Java SE 6)で実現したことも素晴らしいと思うが、Java EE 5は遙かに深淵かつ重要な変化をもたらすものだ」(同氏)

 さらにハミルトン氏は、「Java EE 5は、Webサービス技術のJAX-WS 2.0およびトランザクションコンポーネント技術のEJB 3.0によってJava EE開発を大幅に簡素化する。また、簡素化された新しいパーシステンスモデルであるJava Persistenceも提供する」と記している。

 「J2SE 5.0(Tiger)は非常に重要なリリースだった。わたしがJ2SE 5.0で最も重要だと考えるのは、Java言語のアノテーション機能だ。この機能は、Java EEのEase of Developmentの根本的な改善を可能にすることを狙ったものだった。そして今、われわれはこれらの改善をJava EE 5で提供しようとしており、この狙いは功を奏しているようだ。Java EE 1.4では複雑に入り組んで見苦しかったコードが、Java EE 5では大幅に簡素化される」(同氏)

 「すべては開発者の生産性を高めるためである。われわれは、開発者がJava EEコードの構造について悩む時間を減らすことによって、彼らが本質的なアプリケーションロジックに費やせる時間を増やしたいのだ」(同氏)

 Sunによると、新プラットフォームであるJava EE 5は、EJB(Enterprise JavaBeans)3.0、Java Persistence API、JavaServer Faces API、JAX-WS(Java API for XML-based Web Services and Annotations)などの機能によって、Web/エンタープライズアプリケーションの開発を容易にするという。

 EJB 3.0では、POJO(Plain Old Java Object)を用いたプログラミングのサポートが追加された。同社によると、POJOは、Annotations機能によってWebサービスに変換できるほか、Java Persistence APIを使ってパーシステント化することもできるという。

 JAX-WSは、クライアント/サーバコードを自動生成する機能を備え、SOAP(Simple Object Access Protocol)およびWSDL(Web Services Description Language)標準をサポートするため、Webサービスの開発が簡素化される。

 JavaServer Faces 1.2は、あらかじめパッケージされたコンポーネントを提供することにより、Webベースのアプリケーションのユーザーインタフェースの開発を簡素化する。これらのコンポーネントは、開発者がアプリケーションからアクセスすることができる。また、Annotationsは、開発者が記述しなければならないデプロイメント記述子の分量を大幅に削減するという。

 SunのJavaエンタープライズデベロッパーグループのジェフ・ジャクソン上級副社長は、「Java EE 5 PlatformおよびNetBeans Enterprise Pack 5.5 Softwareのプレビュー版の開発では、コミュニティーが多大な貢献をした」と話す。

 「Sun自身のノウハウに加え、開発者コミュニティーおよび当社のJavaプラットフォームパートナーの意見は、Web 2.0時代におけるITとビジネスの連携という課題を解決するための主要開発プラットフォームとしてのJava技術のリーダーシップを拡大しつつある」(ジャクソン氏)

SunがJava EE 5で目指すもの

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