「企業が抱えるリスクを可視化する」、三菱商事らがSRM分野で提携

三菱商事とティーディー・セキュリティ、米Skybox Securityの3社はセキュリティリスクマネジメント(SRM)分野で提携を結び、「Skybox View」の販売を行っていく。

» 2006年03月09日 22時48分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 三菱商事とティーディー・セキュリティ、米Skybox Securityの3社は3月9日、セキュリティリスクマネジメント(SRM)分野で提携を結んだ。プロアクティブなセキュリティ対策を促し、さまざまな法規制に対するコンプライアンスを支援するという観点から、Skyboxが提供するSRMツール「Skybox View」を販売していく。

 ティーディー・セキュリティは、セキュリティソリューションの強化を目的に、3月6日にトランスデジタルからスピンアウトしたばかりの企業だ。同社は米Skyboxの国内総販売代理店として、Skybox Viewの営業/技術支援や保守サポートを行っていく。また三菱商事は、SRM市場の拡大に向け両社をサポートし、マーケティングや販売支援活動を展開する。

 戦略の中心となるSkybox Viewは、企業ネットワーク内に存在するさまざまな脅威や脆弱性を棚卸しし、それらを優先順位を付けた形でレポートするセキュリティリスク分析/管理製品だ。収集した情報に基づきネットワークをモデリングし、いくつかのシナリオに沿って脆弱性の優先順位を示すとともに、対処法もアドバイスする。製品は、リスク分析を行う「Skybox Secure」のほか、ポリシーが遵守されているかどうかをチェックする「Skybox Assure」などから構成されている。

 米Skyboxの設立者兼最高戦略責任者、ギディ・コーエン氏は「現在の企業が抱える課題は、セキュリティリスクを可視化できていないこと。脅威や脆弱性、設定などに関する情報があまりに多すぎ、分析するのに多くの時間を要してしまう」と指摘した。

 これに対しSkybox Viewでは、さまざまな機器やサービスの配置をビジュアルに示すほか、「そのリソースに含まれている情報の重要度や価値に応じて、さらに問題が起きたときのダメージの種類に基づいて優先順位を付けることができる」(ティーディー・セキュリティの代表取締役社長、吉田宣也氏)。こうして絞り込んだ緊急性の高い問題から対処していくことにより、効率的にセキュリティ対策を進めることが可能という。

 またSkybox Assureでは、企業が定めたポリシーが正しく実行されているかどうかを確認することができる。ウイルス感染によりP2Pファイル共有ソフト「Winny」経由で情報が流出してしまう事件が頻発しているが、「ユーザーが自由にアプリケーションをインストールできてしまうということが原因の1つ。Skybox Assureでは、そういったコンプライアンス違反行為を検出し、ポリシーの通りに動作しているかどうかをチェックできる」(吉田氏)

 今後3社は、ユーザーインタフェースの日本語化を進め、2006年第2四半期中に「Skybox View 3.0」をリリースする予定だ。また4月1日には、セキュリティサービスを展開するコンサルタントやサービスプロバイダー向けに「Project Edition」を出荷する予定だ。Project Editionは、ライセンスの有効期間を3カ月とすることで価格を抑えており、100ノードで312万円からとなっている。

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