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» 2006年03月14日 09時50分 公開

Interview:その先にあるのは650億ドル市場――Sun幹部が語るStorageTek統合後 (1/2)

米Sunにとって、ストレージ事業は売り上げの3分の1を占める重要なビジネスだ。来日した同社のデータマネージメントグループ担当上級副社長のマーク・キャネパ氏にSTKを統合後の戦略を聞いた。

[聞き手:堀哲也,ITmedia]

 米Sun Microsystemsにとって、ストレージビジネスは売り上げの3分の1を占める重要な要素だという。この分野での成長を目指し、同社は2005年9月に41億ドルを投じ、米StorageTek(STK)を統合した。これにより、650億ドルとも見込まれる潜在的なストレージ市場の中でも、最も成長している「アーカイブ」のエリアで一気に存在感を高める狙いだ。また、STKの1000人以上に及ぶ営業部隊を手に入れたことで、独自のデータ管理ソリューションとしての拡販体制も大幅に強化された。

 Sunのストレージ戦略を指揮するデータマネージメントグループ担当マーク・キャネパ上級副社長は、STKの買収で、競合他社にない広範なプロダクトポートフォリオと営業力を手中にしたと話し、独自のデータ管理ソリューションの展開を拡大していくという。ちなみに、米国では両社の統合を終えているが、日本法人同士の統合は年内に完了する見込みだ。

マーク・キャネパ氏 Sun データマネージメントグループ担当上級副社長のマーク・キャネパ氏

ITmedia ストレージの分野でSunはそれほど大きな存在感を示していないようにと思います。STKの買収でこれが変わるのでしょうか?

キャネパ Sunのストレージの事業規模は、もともとSTKよりも大きなものでした。存在感がなかったというのはフェアな見方ではありません。STKを統合したことで、その規模は2倍ほどになります。これは、ストレージビジネスで世界第4位の規模になります。

 ストレージの世界市場は650億ドル規模あります。調査会社によっても異なりますが、その成長率は年率4%〜8%の速度で成長しています。企業の中にはストレージ専業企業を利用しているところもあるでしょうが、顧客の課題のほとんどは、ストレージだけでは解決されれません。Sunはサーバ、OS、サービスなども持っており、これらを組み合わせることで、顧客の課題を確実に解決することが可能です。このメリットを生かすことで、市場よりも早いペースで成長するための戦略を持っています。

ITmedia STKはディスクストレージも扱っていますが、その主力はテープライブラリです。市場の見方として「テープはなくならないが、成長分野ではない」というのが一般的な見方です。買収の意図はどこにあったのでしょう?

キャネパ ストレージ市場は大きく3つに分けて考えることができます。「プライマリ」「セカンダリ」「アーカイブ」の3つのエリアです。この中で最も成長が早いのがアーカイブです。しかも最近では、法規制などもあり、データ保管の重要性はますます高まっています。Sunは初めの2つのエリアには投資を行ってきましたが、アーカイブのエリアへの投資をそれほど行ってきませんでした。STKを買収したことで、ここへの投資を拡大したわけです。

 また、Sunには営業やサービス担当を多く抱えていませんでした。一方で、STKは非常に優れた大きなリソースを抱えています。これによって営業、サービスの組織は巨大なものになります。各ビジネスにおいては、ハードやソフトだけでなく、営業やサービスも同様に必要です。この買収によって、どのようなストレージ企業よりも広範なプロダクトポートフォリオと強力なセールス部隊を得たのです。

ITmedia データが蓄積されていくアーカイブ市場が巨大なのは理解できます。ただ、最近ではアーカイブにもディスクベースのソリューションを投入し、メリットを訴えています。Sunはあくまでこの市場をテープで攻略するのですか?

キャネパ アーカイブ市場は現在、テープが主流です。ディスクに向かおうとさせているのは、テープライブラリを持っていない企業でしょう。生成されて60日〜100日たったデータというのは、その80%が最終的にテープへ落とし込まれているのです。最近では、SOX法など新たな政府の規制が登場しており、企業が保管しなければならないデータは飛躍的に増えていくと予想しています。これを費用対効果高く保管しようとすれば、やはりテープの方が優れています。ディスクに比べて、テープのコストは5分の1から10分の1でしかないのです。

 また、ディスクは常に回転しているため、その消費電力も発熱量も多い。データセンターを管理していく上で、電力コストは無視できないところに来ています。加えて、記憶密度の向上というでも今ではテープの方が上回っていいます。それに、データの物理的な可搬性にも優れています。そもそも保管するデータは、改ざんなどから安全に守られていなければ意味がありません。今年は、テープドライブ上でデータを暗号化できる機能も提供する予定です。これによって、テープの移送はこれまで以上に安全に行えるようになります。

 このようにテープには今後も大きな需要があります。実は、企業はディスクよりもテープの方を早いペースで購入しているのです。

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