その先にあるのは650億ドル市場――Sun幹部が語るStorageTek統合後Interview(2/2 ページ)

» 2006年03月14日 09時50分 公開
[聞き手:堀哲也,ITmedia]
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ITmedia STKの買収によって、Sunのストレージビジネス自体は今後どのように変化していきますか?

キャネパ Sunのストレージジビジネスは、全体の売り上げの3分の1を占めており、非常に重要な位置付けにあります。戦略的には、「サーバやソフトと組み合わせたSunのソリューションの一部として役割を果たすこと」と「独立したデータ管理ソリューションとして拡大させていく」2つの側面で考える必要があります。ただ、STKと統合したことで、ビジネスの規模は後者の方が大きくなりました。そして、ここには大きな潜在市場が広がっています。

 現在オープンシステムの顧客の投資は、サーバとストレージで2対1の関係にあります。この関係で見ると、後者の市場には650億ドルの潜在性があります。既に前者のビジネスでは絶対的な優位にありますので、今は後者に向けた戦略を構築しているところです。

ITmedia 具体的にはどのようなものになりますか?

キャネパ 幾つかの戦略がありますが、ほとんどの顧客はストレージを購入する段階で、既にサーバに何を利用するかが決まっています。このことを考えると、ヘテロジニアスなOSプラットフォームへの環境への対応が必要不可欠です。その点で、Sunのストレージシステムは、既にWindowsやLinux、そしてSolarisをはじめとしたUnix、メインフレームに対応しています。

 Sunにはストレージ管理ソフトウェアもあります。「Sun StorEdge Enterprise Storage Manager」はヘテロジニアスな環境を管理することができますし、生成されるデータにポリシーを適用するソフトもあります。また、ストレージやデータ管理の知識に長けた営業やサポートもそろったわけです。

ITmedia つまり、Sunも情報ライフサイクル管理(ILM)を推進していくということですね。

キャネパ ILMを最初に提唱したのはSTKですよ(笑)。

 特にILM分野では、Sunは最も顧客の助けになるベンダーだと思います。ILMのためには、まずデータはセキュアでなければなりません。認証された人だけがアクセスでき、改ざんを防止しなければいけないのです。SunのID管理パッケージソフトは、市場で最も優れており、IDベースのアクセスにより、データやシステムを安全なものにすることができます。

 またデータの移行には、生成された段階でポリシーを適用して、重要度に基づいて最適なストレージに格納する必要があります。これはストレージソフトでもできるし、サーバ自体がその機能を備えています。また、コンプライアンス(法令順守)のためにデータを完全に削除する機能も提供しています。

 Sunはどのストレージベンダーと比較しても、多くの選択肢をもたらしているのです。つまり、SunがILM市場を牽引しているということです。

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