OpenDocument普及団体の発足が活発になっている。これらにかかわるベンダー一致の見解は、ローカルアプリを超えたWebアプリケーションの可能性を見出すことだ。そして、その先には何が見えるのだろう。
OpenOffice.orgというオフィスアプリケーションは、エンターテインメントとは直結しづらい地味な部類のソフトだ。ワープロや表計算ソフト、プレゼンテーションをバンドルさせたオフィススイートの一つに過ぎないと考える人も多いはずだ。
ワープロや表計算ソフトは、現在のMacintoshの前身であるApple IIの世代からあった定番ソフトとしても知られている。このため、ファットクライアントなどとも言われて、時代遅れの風潮さえ見られるのが最近の情勢だ。
しかし、注目を集めているのは事実。これは、Microsoft Officeと真っ向から競合するアプリケーションであること、OpenDocumentという標準ファイルフォーマットを持つこと、という2つの点が相乗しているためだと考えられる。2月を中心に報じられたニュースでも、この2点にかかわるものが大半だった。
先月も紹介したIntel Mac OS X版のOpenOffice.org 2.0.1だが、中田真秀氏が開発の中心的存在となっている。そして、その開発用のPCは、びぎねっとの宮原氏が寄贈したことが分かった(関連リンク)。
アップルのMac OS Xは、洗練されたデザインとユーザーインタフェース、そしてデスクトップOSの中でも独特の存在感となっている。そして、筆者が出会うオープンソース関係者の中では、Mac OS Xを使っている人がかなりの割合だ。
OpenOffice.orgが普及して、プラットフォーム相互の文書交換が容易になれば、Intel Macintoshがデスクトップとして今以上の存在感になるかもしれない。このような状況からも、中田氏をはじめとするMac Portingチームの活躍が期待されている。
3月8日、OpenOffice.orgバージョン2.0.2がリリースされた(関連リンク)。現在は、英語版のみだが、ほかの言語版も順次リリース予定となっている。日本語版も、有志が品質確認(QA)テストを行っている最中だ。
今回のバージョンアップでは、多くの不具合を解消したほか、Quattro Pro 6とMicrosoft Word 2のインポートフィルタ搭載といった新機能も追加された。なお、今回のリリースは、基本的にはバグフィックス版になる。OpenOffice.orgプロジェクトは、今後も継続的な品質向上作業を続けていくだろう。
OpenOffice.org/OpenDocumentに関連して、最近はOASIS OpenDocumentフォーマットに関する普及団体が発足されたことが注目すべきニュースだ。
3月3日には、官公庁などにおけるオープンソースのオフィス文書フォーマット普及を目指す団体「OpenDocument Format(ODF)Alliance」が結成された(関連記事)。この団体には、サンやIBM、ノベル、Opera Software、オラクル、Red Hatに加え、日本からはジャストシステムもメンバーに加わっている(関連記事)。
3月7日には、OASISが「OASIS ODF Adoption Committee」の発足を発表している(関連リンク)。こちらには、IBM、ノベル、オラクル、サンが参加している。
この2つのニュースは、タイミングや参加メンバーからしても同じ一つの流れであることが間違いない。
それは次の通りだと筆者は考えている。
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