クライアントの管理にはさまざまな側面があるが、業務に関するアプリケーションの管理について考えよう。
クライアント/サーバ環境では、サーバにデータベースが配置され、ビジネスロジックとプレゼンテーション部分はクライアントに配置する。クライアントPCが複数存在する場合、システムを正しく稼働させるためには、各クライアントに同じアプリケーションとプレゼンテーション部分がインストールされ、設定してある必要がある。
たとえば、業務拡大に伴い、クライアントの入力画面を変更することを考えてみよう。変更の適用日には、すべてのクライアントのアプリケーションを確実に入れ替えなければならない。最も簡単なアプリケーション配布は、クライアントのアプリケーションを共有ファイルサーバに格納しておき、各クライアントが毎回そこからダウンロードしてアプリケーションを起動する方法だ。
しかし、アプリケーションのサイズが大きい場合、アプリケーションをロードする時間だけでなく、ネットワーク回線の帯域を圧迫することになる。特に多くのクライアントから同時にアプリケーションを利用するような状況ではそれが顕著になる。そのため、サイズの小さいアプリケーションをLAN上の少ない台数のクライアントで共有する以外はファイルサーバにアプリケーションを格納するのは現実的でない。したがって、何らかの手段で各クライアントにアプリケーションを配布し、インストールを行う必要がある。
また、アプリケーションの配布は単にプログラムファイルを入れ替えるだけでなく、クライアントごとの設定作業を伴う場合が多い。その設定は、OSのバージョンが異なるなど、クライアントの状況によって異なる。したがって、アプリケーションの自動入れ替えは、何らかの人手による操作が必要になると考えるべきだ。しかしこれらの作業を、クライアントを利用するユーザーに実行させるのは問題である。
これらのソフトウェア配布の問題は、専用のツールを利用することで解決できる。そのために、ソフトウェア配布ツールは以下のような機能を持っていることが要求される。
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