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» 2006年04月14日 00時00分 公開

セールスフォース・ドットコムの「AppExchange」がIT市場に与えるインパクト

ASPによるビジネスアプリケーションの提供で業界の常識を覆したセールスフォース・ドットコム。順調に成長を続ける同社は新たにオンデマンドアプリケーションプラットフォーム「AppExchange」を提供することになった。AppExchangeが市場に与えるインパクトを探る。

[PR/ITmedia]
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photo 今後は各業種に特化したソリューション提供にも力を入れたいと話す宇陀栄次社長

 1月、セールスフォース・ドットコムは「AppExchange(アップエクスチェンジ)」を国内市場に投入。世界初のオンデマンドアプリケーションプラットフォームとしてIT市場で大きな話題を集めている。

 従来メインフレーム、クライアント/サーバをベースに構築されてきたビジネスアプリケーションを、ASP形式で提供することにより、業界の常識を破る「革命」を起こしたセールスフォース・ドットコム。業務アプリケーションをSalesforceで構築することを決めた企業が、将来にわたって変化する機能要件にも柔軟に対応していくための切り札となるプラットフォームがAppExchangeだ。

 AppExchangeは、企業が抱えるさまざまな課題を解決する新たな基盤になる。アプリケーション業界に新たな問いを投げ掛けるという見方もあるほどだ。


エコシステムの創造

photo Salesforce最新版のダッシュボード画面

 AppExchangeをベースにすることで、営業管理や会計処理といった業務機能、あるいは、金融や製造業向けといった業種ごとの機能など、それぞれの領域に特化した細かいアプリケーション機能も含めてWebサービスとして実装することができる。セールスフォース・ドットコムは従来通り、SFAを中心にAppExchange上に実装するWebサービスを自ら開発する一方で、アプリケーション開発を手掛けるサードパーティにも開放する。これにより、AppExchange上にはさまざまなアプリケーションがWebサービスとして集積することになる。

 「機能に柔軟性を出しにくい」というASPモデルの限界を超えて、半永久的に機能を強化し続けられる「エコシステム」を創り出す考えだ。

 また、AppExchangeと同時に、同社のオンデマンドCRMソリューション「Salesforce」の最新バージョンであるWinter'06も併せてリリースされている。両者を合わせることで、同社はWeb上でオンデマンドアプリケーション環境を展開する「ビジネスウエブ」を実現させていく。


19回目の機能強化で「プラットフォーム」にシフト

 米セールスフォース・ドットコムの上級副社長も務める宇陀栄次社長も「われわれはCRM、SFAソリューションの提供を中心にしていたが、第19回目の機能強化としてAppExchangeをリリースすることで、プラットフォームという新たな領域へと軸足を移すことになった」と意気込む。

 「SalesforceでASPの機能を提供する中で蓄積したユーザーの声を吸い上げ、19回目のバージョンアップを行った。その結果としてリリースしたのがAppExchangeだ。このプラットフォームを利用して、サードパーティがより積極的にアプリケーションを開発してくれればいい」(宇陀社長)

 つまり、自社ですべての機能を提供するのではなく、Salesforceを中核に、サードパーティを巻き込んでいくためのプラットフォームがAppExchangeと言うことができる。もちろん、同社はサードパーティのアプリケーション開発をさまざまな形で支援していく考えだ。

ITの「I」を実現する

 それでは、AppExchangeがユーザー企業に提供するメリットとはいったい何か。

 「実は、ユーザー企業はAppExchange自体に強い興味があるわけではない。製造業、金融、流通など、いずれの顧客企業もCRMやSFAを基盤にソリューションを拡大するという、よりビジネスに直結した要求を持っていることが多い。だが、これまではIT(Information Technology)の後者であるTechnologyにばかり手間が掛かってしまい、本題であるInformationが後回しにされていた。それを解決するのがAppExchangeだ」(宇陀社長)

 つまり、従来は、企業の問題を解決するアプリケーションを導入する際に、ハードウェア、OS、データベース、アプリケーションとさまざまな要素に気を配り、最適化しなくてはならなかった。結果的に、その要素の最適化自体が「目的」に成り代わるという本末転倒な事態が起きていたというのが同氏の考えだ。それに対し、企業がそうした要素の構築をアウトソースし、自社は肝心なInformationの最適化に専念できるのがASP形式であるというわけだ。そして、そのASPを長期的に発展させる基盤がAppExchangeであることは既述したとおりだ。

photo 執行役員で製品・サービス・技術統括本部長を務める榎隆司氏は「AppExchangeは、SFA、CRMのWebサービスの実績を証明したインフラを広く開放するもの。SOAの具体的な連携がもたらす新たなビジネスイノベーションに期待している」と話している

 「どこかに行くためにわざわざ自動車を買う人は多くない。電車、バス、タクシーなどの既にある交通機関を使う方が一般的だ。しかしITの世界では、施策ごとに新たなシステムを構築するという発想になることが多かった。やはり、それはおかしい」(宇陀社長)

 当初のASPは、ネットワークコストの大きさなどが嫌気されてあまり普及しなかった。だが、宇陀社長が「ネットワークのコスト効率性はこの5年間で1000倍に向上した」と話すように、技術的な問題はもはや解決しようとしている。今後のセールスフォース・ドットコムに大いに注目が集まる。

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提供:株式会社セールスフォース・ドットコム
制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2006年4月28日