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» 2005年09月13日 17時16分 公開

Dreamforce'05 Report:急成長遂げるSalesforce.comの次なる戦略は

OracleによるSiebel買収が発表された朝、salesforce.comの「Dreamforce'05」がサンフランシスコで開幕した。「OracleによるSiebleの買収で、オンデマンド市場は1段上のレベルに」とベニオフCEO。

[谷川耕一 ,ITmedia]

 オンデマンドCRMソリューションのトップ企業であるsalesforce.comによる、ユーザーおよび開発者向けカンファレンス「Dreamforce'05」が、サンフランシスコのモスコーンコンベンションセンターで開幕した。イベント全体で参加者は3500人を超え、企業の成長を示すようにオープニングセッション会場は朝早い時間にもかかわらずほぼ満席となった。

 「OracleによるSiebleの買収で、オンデマンドのマーケットは1段上のレベルに行くことになる」── オープニングセッションに登場したsalesforce.comのCEOを務めるマーク・ベニオフ氏は、冒頭で今朝一番に届いたビックニュースに対してこうコメントした。

OracleによるSiebel買収も強気のコメントで皮肉るベニオフ氏

 もちろんこれは、本心からOracleの参入を歓迎するというのではなく、いかにも皮肉交じりに語ったもの。ベニオフ氏はさらに、eBayによるSkypeの買収にも触れ、GoogleやYahoo!などとSalesforce.comのオンデマンド・サービスを同列に並べ、いよいよ時代はインターネットを基盤としたサービス提供のビジネスモデルへと変革してきたと続ける。

 ベニオフ氏は急成長の業績について解説する。直近に発表した四半期の結果は、対前年比で売り上げ77%、利益331%と高い成長を遂げ、顧客企業数も1万6900、登録ユーザー数も30万8000に達し、顧客企業数よりも登録ユーザー数の増加率が上回っていることから、既に採用している企業の中でさらに利用が拡大している状況が伝えられた。

 実際、数千ユーザー規模での導入実績が多数示され、Merrill Lynchなどでは5000登録ユーザーに達するとのこと。さらに、IDCの調査結果を引用し、2004年のOn-Demand CRMのマーケットでも50%のシェアを獲得していることから、終始強気な発言が飛び出す。

 続いて、「The Sixth Level of On-Demand」と称し、Salesforce.comのオンデマンドサービスの成長過程が紹介された。1999年に始まった同社のサービスを実現するアプリケーションそのものの開発に注力していたレベル1の時代から始まり、2003年のレベル2でMicrosoftのデスクトップソフトウェアやSAP、Oracleなどのエンタープライズアプリケーションとの統合およびWebサービスプロトコルへの対応を、2004年のレベル3ではSalesforce.com最大の優位性となるカスタマイズ機能の導入、2003年から2005年にかけて実施されたレベル4は顧客、パートナーそしてSalesforce.comの3者が協力することによりWin-Winの関係を築き上げるエコシステムの時代、2005年のレベル5では真のWebサービス統合ともいえるmultiforce機能の提供という進化を遂げてきた。

Appexchangeでさらなるユーザー数の拡大を目指す

 そして、レベル6で今回イベント期間中で最大の発表となるであろう「Appexchange」が紹介された。Appexchangeは、Salesforce.comはもちろん、顧客やパートナーが作成したSalesforce.com上のカスタムアプリケーションをマーケットプレースで取引可能にするという画期的な仕組みだ。これにより、顧客やパートナーが作ったアプリケーションをほかの顧客が簡単かつ即座に利用できるようになる。もちろんSalesforce.com自身も、人事や財務に関連するアプリケーションなど既に多数を構築している。現在の段階で、試験的な運用ではあるが70のアプリケーションがAppexchangeに登録され、そのうち半分はSalesforce.comが構築したものという。

 Appexchangeを使えば、あらゆるアプリケーションがすぐにオンデマンドで利用可能になる。「iTunesのMusic Storeで欲しい音楽を検索してクリック1つでiPodに取り込んで楽しめるのと同じように、Appexchangeではオンデマンドアプリケーションを簡単に利用できるようになる」とベニオフ氏。

 Appexchangeでは利用ランキングも表示されるので、amazon.comのように人気のある機能拡張をすぐに実施できるという。

 これまで、CRMに特化したサービスだけを提供することで成功を収めてきたSalesforce.com。オンデマンド・アプリケーション市場がここ数年で大きく変革しそうな兆しに対し、Appexchangeで適用範囲の拡大によるユーザー数のさらなる増加を期待する戦略だ。

 強大かつさまざまなアプリケーションを網羅するOracleがさらにSiebelを買収することを見越した上での発表というわけではないだろうが、オンデマンド・アプリケーションの市場に強力なプレーヤーが登場することになる。今後、オンデマンド・アプリケーション市場においても、熾烈なシェア争いが勃発しそうだ。

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