コンピュータトラブル・災害――これらへの備えもセキュリティ対策のうちゼロから始める中小企業IT化への道(1/2 ページ)

物理的なトラブルや自然災害などへの備えることもセキュリティ対策の一環だ。そのためにもデータのバックアップは基本的な対策となる。日ごろからしっかり行っておく必要がある。

» 2006年04月14日 13時21分 公開
[伊嶋謙二,ITmedia]

 前2回にわたってウイルス対策や情報漏えい対策といった視点から中小企業のセキュリティ対策の状況を見てきた。今回は物理的なトラブルや自然災害などへの対策という切り口から中小企業のセキュリティ対策状況を見ていこう。これらも企業にとっては予測できない事態を引き起こす可能性がある。そのためにも、日頃からしっかりとした対策を行っておく必要がある。

データのバックアップは必須

 それでは、ノークリサーチが2005年に中小企業を対象に行った「サーバの信頼性向上の実施状況」調査の結果を見てみよう。

グラフ 出典:ノークリサーチ「2005年版中堅・中小企業のITソリューションの実態と展望」

 この結果は、サーバ導入済みの中小企業520社を調査したものだが、そのうちの約90%は「バックアップなどの実施(データ、UPS=無停電電源装置)」を実施していた。サーバの信頼性向上のためにデータのバックアップを実施することは、中小企業に非常に浸透していると言える。

 また「冗長化の実施(RAIDなど=メインサーバが故障しても予備サーバが動作するようにシステムを構築する)」は49.2%、「二重化の実施(クラスタ化など)」は23.1%、「無停止型サーバの導入(フォールトトレラントサーバ)」は15.2%と、比較的上位のものと考えられる対策も進んできているようだ。

 ただ、まだこれら対策を実施していない中小企業は、最も敷居の低い対策としてまずはバックアップから始めるのがよいだろう。

中小企業のデータバックアップのコツ

 バックアップと聞いて最初に思い付く方法は、CD-Rなどの光ディスクやフロッピーディスク、USBメモリといった外部メディアへのデータ保存だろう。CD-Rなどは今や量販店でも格安で手に入るようになったし、USBメモリは低価格化・小型大容量化が進んでいる。両者共に中小企業にとっても非常に使い勝手が良い。また、LAN環境の整った中小企業であれば、ネットワークを通じてPCに蓄積されたデータを別のPCにも保存しておくという手もある。まだバックアップを行っていないのであれば、このようなところから始めるとよい。

 このバックアップの作業を効率良く行うには、最低限2点ポイントを押さえておきたい。

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