Batch-on-GridはTivoli Workload Schedulerなどで構成され、グリッド環境でバッチ処理を効率的に行う。
米IBMは、企業のITインフラをグリッド環境に変えて、ユーザーのリソース使用を柔軟にし、インフラを障害から守るソフトパッケージを提供している。
同社の「Batch-on-Grid」ソフト――「Tivoli Workload Scheduler 8.3」「Tivoli Workload Scheduler Load Leveler」「Tivoli Intelligent Orchestrator」の新版で構成される――は、リソースをすぐに動的に割り当て、作業負荷を適切なサーバに移すことができる。
また、最も重要なジョブが最初に処理され、グリッド内のサーバが停止したらタスクがリダイレクトされるようにもできる。
「作業を最高のリソースに割り当てられるようになる」とIBMのTivoli担当ディレクター、マーク・モルニールト氏は語る。
同社は5月11日に東京で開催のGrid Worldショウでこのソフトを発表した。
この新ソフトは、タスクを待ち行列に並べて処理をスケジューリングするバッチ処理を行う。この手法は大企業、特に金融サービスや政府機関などのセクターで使われている。
Batch-on-Gridはこうしたバッチ処理を自動化し、ジョブをもっと効率的に実行し、ITインフラが処理できる作業量を増やすとモルニールト氏。
標準的なバッチ処理では、特定のジョブが特定の時間と特定のIPアドレスに割り当てられるが、このソフトは単一のプールでリソースを仮想化し、これらのリソースプールを作業負荷を処理するために割り当てることができるという。作業が終わったら、リソースを別のタスクに割り当てられる。
モルニールト氏は、Batch-on-Gridの機能は処理可能な作業の量を2倍か3倍にするはずだと語る。これは比較的大規模な企業にとって重要だ。こうした企業の中には、1日に30万件ものジョブを処理しているところもある。
「さらに30万件から60万件のジョブを処理できるようになる。このソフトは企業のキャパシティを大幅に増やす」(同氏)
1つあるいは複数のソフトを使っている企業にとって、グリッド環境を稼働させるのは極めて単純だと同氏は言う。着手し始めた企業には、IBMの助けが必要かもしれない。
同氏は、このグリッドソリューションが社員1000人以下のミッドレンジ企業にもたらし得る恩恵を見込んでいるが、ほとんどのメリットはそれより大きな企業向けだとしている。
このソフトはメインフレームや分散コンピューティング環境にまたがる異種混在環境で動作すると同氏。また、SOA(サービス指向アーキテクチャ)内でも利用できる。
Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.