HP-UX新版を準備するHP(1/2 ページ)

HPは今秋、仮想化と自動化機能を持つHP-UX 11i v3をリリースする。3年ぶりの大幅改訂となる。

» 2006年05月26日 16時11分 公開
[Jeffrey Burt,eWEEK]
eWEEK

 UNIX市場の数字は横ばいだが、Hewlett-Packard(HP)はHP-UXの明るい未来を見込んでいる。

 同社は今秋、仮想化と自動化機能を持つHP-UX 11i v3――3年ぶりの大幅改訂――をリリースすると、同社ビジネスクリティカルサーバ部門副社長ドン・ジェンキンス氏は語る。

 さらに、HPは既にバージョン4の設計段階に入っており、バージョン5の計画段階にある。いずれも2〜6年以内に登場する。

 HPは5月25日、HP-UX上で利用できるIBMミドルウェアを増やす契約と、エンタープライズソフトベンダーのTibcoが同OSを顧客向けの優先UNIXプラットフォームとして指名することを発表した。

 これら発表はすべて、近年出荷数と売り上げが減っているものの、まだ世界サーバ売り上げの3分の1を占める約190億ドルの市場でHP-UXの好調が続いていることを示しているはジェンキンス氏は言う。

 「HP-UXは当社のアダプティブエンタープライズ戦略の要だ」と同氏はHPのユーティリティコンピューティング構想を上げて語った。

 UNIX市場、特にHP、AIX OSを擁するIBM、Solarisを擁するSun Microsystemsは、特にx86ボリュームシステムの人気とローエンドUNIXワークロード向けLinuxサーバの採用増で、この数年サーバ市場での支配力を弱めている。

 今週IDCが発表したデータによると、第1四半期にx86市場とLinuxサーバ分野は伸びたが、UNIX分野は売上高が7.1%、出荷台数が8.7%減少した。

 だが減少してはいるものの、ジェンキンス氏は、UNIX市場にはまだ多くのビジネスがあると語る。ローエンドはLinuxに削り取られているかもしれないが、エンタープライズユーザーの間では、ミッションクリティカルワークロード――特にデータウェアハウスやビジネスインテリジェンスなどの業務処理と決定サポートの分野で――のための場所を求める需要がまだあり、彼らはUNIXに目を向け続けていると語る。

 アナリストの1人もそれに同意している。

 「UNIX(Linuxを含まない)は比較的成長の緩慢な市場だが、まだかなりの売上高があり、利益率もまだ高い」とIlluminataのアナリスト、ゴードン・ハフ氏は語る。「特にスケールアップとSMP(対称マルチプロセッシング)分野では、Linuxが拡大しているが、Linuxに完全に自然にフィットしたものはない」

 このため、売上高と出荷台数は停滞しているが、IBMとSunがAIXとSolarisに投資し続けているように、HPはHP-UXへの投資を続けていると同氏。

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