HP-UX新版を準備するHP(2/2 ページ)

» 2006年05月26日 16時11分 公開
[Jeffrey Burt,eWEEK]
eWEEK
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 実際、ジェンキンス氏はUNIX分野――ソフト、サービス、ハード――はまだHPにとって60億〜100億ドルのビジネスであり、HPのサーバ事業の25〜30%を占めると語った。HPには約50万のHP-UXのインストールベースがあるという。

 HPはHP-UX事業をItaniumベースのIntegrityサーバラインで標準化しているところだ。IDCの統計によると、Itaniumサーバの第1四半期の売上高――ほとんどはHPによるものだ――は41.8%増加して6億4000万ドルとなった。IDCは、2010年までにItaniumサーバ市場は66億ドルになると予測した。

 HPがItaniumサーバ事業成長のために投じると約束した年間10億ドルの大半は、HP-UXの革新と、同OSのエコシステム構築に向けられるとジェンキンス氏。

 IBMとTibcoとの契約はその役に立つと同氏は言う。IBMとの契約は、HP-UXとIntegrityで動作するIBMの――WebSphere、Tivoli、Rational、Lotusなどのブランドの――既存ミドルウェア製品を3倍以上にする。向こう数カ月以内にそれが実現するという。

 IBMのソフト担当者は、同社の目標は顧客の需要に応えるためにできるだけ多くのプラットフォームをサポートすることであり、既にWebSphere Application Server、DB2 Universal Database、Tivoli Storage ManagerなどのミドルウェアがHP-UX 11i v2を走らせるIntegrityシステムでサポートされていると語る。

 「これは(同OSが)市場においてどこに到達したかを示している。HP-UX上で(IBMミドルウェアを)走らせている顧客はたくさんいる」(ジェンキンス氏)

 HPは、同OSの今後の強化において、仮想化や自動化などの分野にフォーカスしていると同氏。HP-UX 11i v2は既にシステム稼働率改善のために同社の「Virtual Server Environment」を提供しており、高可用性とスケーラビリティの機能も提供する。

 次のバージョンでは、ポリシーベースのプロビジョニングと動的構成を改良し、可用性を高めるとジェンキンス氏は言う。「自動化と仮想化の次のレベルに到達することが目標だ」

 バージョン4は、ポリシーとシステムプロビジョニングの自動化、仮想化とサーバゼロダウンタイムにより、その方向へと進む一歩だと同氏。

 このような統合機能――そしてバージョン間のバイナリ互換性――は、ミッションクリティカルアプリケーションのためのプラットフォームを求める大企業がUNIXを求め続けている理由だ。

 「彼らはバイナリ互換性を求め、すべてが連係することを望んでいる。UNIXはすべて同じように動作し、すべてが連係し、意外な要素がない。多くの点で、LinuxはUNIXができることができるが、統合作業の重荷を顧客に背負わせる。顧客の多くはそれができるけれどもしたがらない」(同氏)

 Illuminataのアナリストのハフ氏は、たとえLinux開発がその方向に進んでも、人々がハイエンドスケールアップ環境の大半にLinuxを採用することを考えるのはずっと先だろうと語る。検討しても、既に3つの優れたUNIXプラットフォームが出回っているのに、どうして多くの点でUNIXと似ているLinuxを採用するのかという疑問が出てくる。

 HP、IBM、Sunは自社プラットフォームの管理と仮想化を強化するという点で正しい方向に進んでいるとハフ氏。

 「性能の向上、スケーラビリティの向上に関する限り、今UNIXは高い成熟のレベルに達している。比較的大規模な単体システムには需要がないため、HPにとっては仮想化と運用の単純化が絶対に正しい方向だ」(同氏)

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