これまで本連載では日本ヒューレット・パッカードとインテルの協業で生まれたHP Integrityサーバの特徴を紹介してきた。今回は、HP Integrityサーバの機能を十二分に生かすことができるソリューションの1つを紹介する。2007年問題や人材の流動化の課題に応えるソリューションとして3月に知識継承ソフトウェア「KnowledgeMeister Succeed」をリリースした、東芝ソリューションに話を聞いた。
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第1回 インテル Itanium プロセッサ ファミリの未来は「バラ色」か?
第2回:思わずインテル Itanium プロセッサ ファミリを選択したくなるこれだけの理由
第3回:HPの戦略に見るインテル Itanium プロセッサ ファミリの真のメリット
インテル® Itanium® 2 プロセッサ×HP Integrity特別対談
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2007年問題に代表されるように、個人が持つ業務ノウハウの継承を効率的に進め、組織力の維持および強化を図っていくことが、重要な経営課題の1つとなっている。東芝ソリューションが3月にリリースした「KnowledgeMeister Succeed」は、この課題に応える、知識継承を推進するソフトウェアだ。また同社は、同ソフトウェアのプラットフォームとして、HP Integrityサーバが適するとしている。KnowledgeMeister SucceedとHP Integrityサーバに触れる前に、東芝ソリューションを簡単に紹介しておこう。
東芝ソリューションは、多種多様な業種・業務ソリューションとその基盤を支えるプラットフォームソリューションをトータルソリューションとして提供するソリューションプロバイダで、東芝グループで唯一ITソリューション事業を担っている。主要ソリューションの1つであるプラットフォームソリューションでは、クラスタソフトウェアなどのコア技術を生かした自社開発製品と、HPをはじめとする戦略的アライアンス製品をシステム要件に合わせて最適に組み合わせて提供している。
ナレッジマネジメントは、東芝ソリューションが得意とするソリューションの1つで、製造業や金融・保険業、流通業などに数多くの導入実績を持つ。ナレッジマネジメントソリューションの中核となる「KnowledgeMeister」は、情報の収集や蓄積、共有を促進する、ナレッジマネジメント支援ソフトウェアだ。この製品が技術的にユニークな点は、東芝が長年培ってきた日本語処理技術が使われていることである。国内初の日本語ワープロ専用機「JW-10」に端を発する東芝の日本語処理技術は同社の強みとなっており、ナレッジマネジメントにおいても、例えば頭に思い浮かんだ質問文をそのまま入力すれば検索できる「自然言語検索」や類似性の高い文書を抽出する「関連検索」などに生かされている。これらの技術が、ナレッジマネジメントを自然な形で業務に融合させる一助となっている。
このナレッジマネジメントシステムが、さらなる進化を遂げた。組織内に分散する断片的な情報を整理して、知識化・共有するというこれまでのナレッジマネジメントの考え方を、東芝ソリューションは、知識の「継承」まで進めるという。共有の場に蓄積された知識を効率良く各メンバーが吸収して実際に自分の業務に生かせる仕組み、さらには、「仕事のやり方」や「結果に至るプロセス」など、ドキュメント化されていない重要なノウハウまでも知識化することができないか、というわけだ。これらの課題を解決するソリューションとして、同社は知識継承ソフトウェア「KnowledgeMeister Succeed」を開発した。
ナレッジマネジメントソリューションのチームリーダーとして「KnowledgeMeister Succeed」の商品企画から、実際に製品を用いたコンサルティングやシステム構築までを手掛ける、プラットフォームソリューション事業部・水原徹参事は、開発の意図をこう語る。
「情報を知識ととらえ、蓄積・共有するだけであれば、従来のナレッジマネジメントシステムでも十分です。しかし、実際問題として、業務経験の浅いメンバーにとっては、システムのどこかに知識が蓄積されていても、それを自分の業務の中のどのようなシーンで、どう使えばいいのか分からない。いわば『知識の持ち腐れ』になりがちでした。せっかくのシステムに蓄積された知識も使われなければ意味がありません。さらに言えば、組織のメンバーが、用意された知識を活用しながら業務を実践することでその知識を吸収し、自分のノウハウに変える。そして自分の新たなノウハウを加えたもっと良い知識にしてほかのメンバーに継承するというスパイラルが重要なのです」(水原参事)
メンバーが自分の業務を行う際に、わざわざ探さなくてもそれぞれのシーンに応じて必要な知識が提示される仕組み。これを実現するために、KnowledgeMeister Succeedでは業務がプロセスフローとして定義され、各プロセスで、メンバーがすべき作業、利用できる知識などが明示された『ワークプレイス』が実現されている。メンバーはKnowledgeMeister Succeed上で指示されたフローに従って業務を行うことで、必要な知識がタイムリーに提示されるというわけだ。この『ワークプレイス』は従来のナレッジマネジメントツールにはなかった斬新な発想だ。
しかし、業務のプロセスごとに手順書やノウハウ集を新たに作成するのは大変な手間になるはずだ。
「確かに実際の業務を行いながら、そのような資料をわざわざ作成する時間はなかなか取れないと思います。そこで、KnowledgeMeister Succeedでは、ワークプレイス上の掲示板や日常使われるメールのやり取りから、業務の過程を意識せず蓄積でき、そこから知識を抽出できるようにしました」(水原参事)
KnowledgeMeister Succeedでは、定義された業務プロセスに基づき、メールや掲示板などでやり取りされた情報を、ユーザー自身が意識することなく自然に蓄積でき、さらにはインターネットや社内データベースで参照した情報などを、これら蓄積される情報に容易に関連づけることが可能となる。これによって、一連のプロセスや情報を共有できるほか、過去の作業手順を参照することで、次にどんなアクションが必要とされているのかを確認できる。
また、蓄積した情報に関しては、情報同士の関連をツリー表示することも可能で、最終的に至った結論だけでなく、結論までの経緯も直感的に把握できるようになる。メンバーが、手間をかけずにメールや掲示板などの情報から要点だけを抽出し、情報の「まとめ」を行うこともできる。
つまり、メンバーは普段通りに仕事をしていれば、自然にKnowledgeMeister Succeedの中に情報が蓄積され、手間をかけずに業務のシーンに応じた知識としてまとめることができるというわけだ。
「製品化に当たっては、情報を知識として活用するためにはどうするか、その点を追求しました。東芝グループ社内でも活用しており、自らがユーザーとして改善を加えてきました。2007年問題を控え、知識やノウハウの継承が注目を集めているだけに、製造業、金融業、公共事業などの幅広い業種への導入を見込んでいます」(水原参事)としている。
では、なぜKnowledgeMeister Succeedには、HP Integrityサーバが最適なのだろうか。
水原参事は、「スケーラビリティと信頼性、そして、Windows/HP-UXの両方を稼働できる環境が整っている点にある」とその理由を語る。
KnowledgeMeister Succeedを導入すると、組織の全員がKnowledgeMeister Succeedのワークプレイスを利用して自分の業務を行うことになる。そのため、エンタープライズレベルで導入する場合、サーバには多くのトランザクションに対してもストレスなく利用できるパワーと、安定性が求められる。
HP Integrityサーバでは、インテル® Itanium® 2プロセッサによる高速処理環境とともに、将来に向けた拡張性をコミット。さらに、HP-UXによる安定した利用環境によって、KnowledgeMeister Succeedの機能を十二分に発揮できるという点でほかのサーバとは別次元の運用環境を提供してくれる。
さらに、社内に蓄積された情報の多くは、WordやExcelなどのオフィスドキュメントとして、Windowsサーバ上に蓄積されていることが多いことから、KnowledgeMeister Succeedの社内情報にアクセスする部分ではWindowsとの親和性が高い。従って、1つの筐体でWindowsとHP-UXの2つの環境を同時に稼働させることができるHP Integrityサーバは、情報を統合管理し、それをより効率的にハンドリングするという意味でも威力を発揮することになる。
高い処理能力と信頼性に加えてWindows/HP-UXの統合環境であるからこそ、KnowledgeMeister Succeedの機能を十分に発揮する環境が実現できると言っていい。
「KnowledgeMeister Succeedによって、日本ヒューレット・パッカードとの協業関係はさらに強固なものになりそうだ」と水原参事。ナレッジマネジメントソリューションの進化、そして、2007年問題やコンプライアンスへの関心が高まる中で、それを解決するソリューションとして位置づけられるKnowledgeMeister Succeed。それをしっかりと下支えしているのがHP Integrityサーバだと言える。
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提供:インテル株式会社、日本ヒューレット・パッカード株式会社
制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2006年6月30日