広がる顧客やパートナの支持、さらにアクセルを踏み込むインテル Itanium 2 プロセッサ ファミリHP×インテル 特別対談

2006年、オープンなインテルアーキテクチャのフラグシップ、インテル® Itanium® 2 プロセッサ ファミリがIHV、ISV、そして多くの顧客らの支持を受け、大きな飛躍を遂げた。7月にはインテル Itanium 2 プロセッサ ファミリでは初となるデュアルコア製品であるインテル Itanium 2 プロセッサ 9000番台が登場し、さらに拍車がかかっている。1990年代半ば、その開発段階からインテル Itanium 2 プロセッサ ファミリに取り組んできたヒューレット・パッカード(HP)も、Riscからデュアルコア インテル Itanium 2 プロセッサ ファミリへの移行を進めており、消費電力当たりの性能が従来製品と比べ2.5倍に引き上げられた新しいデュアルコア インテル Itanium 2 プロセッサ ファミリを幅広く採用していくという。インテルやHP、そしてパートナらのエコシステムが生み出す価値について日本ヒューレット・パッカードのエンタープライズストレージ・サーバ統括本部長、松本芳武氏とインテルのマーケティング本部長、阿部剛士氏に話を聞いた。

» 2006年12月19日 10時00分 公開
[ITmedia]
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ITmedia 2006年はどんな年でしたか。先ずは振り返っていただきましょう。

松本 いろいろなことが起きた2006年でしたが、先ず挙げられるのが、インテル® Itanium® 2 プロセッサ ファミリビジネスの進展です。年初にミッションクリティカルな領域でインテル Itanium 2 プロセッサ ファミリ搭載サーバをさらにプロモーションしたいと考え、年間を通してインテルと共同でマーケティング活動を展開しましたが、その成果が表れました。

 製品としてもインテル Itanium 2 プロセッサ ファミリでは初となるデュアルコア インテル Itanium 2 プロセッサ 9000番台(開発コード名:Montecito)搭載サーバの市場投入がありました。

日本ヒューレット・パッカード エンタープライズストレージ・サーバ統括本部長 松本芳武氏

 7月にデュアルコア インテル Itanium 2 プロセッサ(開発コード名:Montecito)が正式発表されたわけですが、HPはそのわずか2カ月後の9月には製品を出荷することができました。われわれはデュアルコア インテル Itanium 2 プロセッサでもその開発段階からインテルと協力しており、春にはデュアルコア インテル Itanium 2 プロセッサをサポートするチップセットを発表し、サーバの並行開発を進めることができたからです。

 われわれはPA-RISCからオープンなインテル Itanium 2 プロセッサ ファミリへの移行を進めていますが、インテル Itanium 2 プロセッサ ファミリとPA-RISCの比率が3:1、つまり75%を占めるに至っています。ワールドワイドではまだ50%という段階にあり、日本市場の取り組みが「ベストプラクティス」となっています。

阿部 インテルは、PowerやSPARCといったプロプライエタリなプロセッサに対して、HPをはじめとするIHVパートナやオラクルのようなISVパートナらの協力を得て、オープンなプラットフォームで戦いを挑んでいます。松本さんのお話にもあったとおり、日本市場では、インテル Itanium 2 プロセッサ ファミリのビジネスが急速に立ち上がっています。今年は、デュアルコア インテル Itanium 2 プロセッサを発表し、また、特にHPとは年間を通じて共同マーケティングを展開することもでき、実りの多い1年でした。

顧客の関心はインテル Itanium 2 プロセッサ ファミリのもたらす効果に

ITmedia インテル Itanium 2 プロセッサ ファミリに対する顧客の反応はいかかでしたか?

松本 RISCプロセッサが市場で一定の地位を占める中、顧客は新しい経験をするわけで、これまではわれわれとしてもインテル Itanium 2 プロセッサ ファミリの良さを訴求する必要がありました。顧客からは、インテル Itanium 2 プロセッサ ファミリへのコミットメントを問われることもありました。

 しかし、今年はそれがなく、大規模な事例が登場しています。それに伴い、自社でもそれを参考にして効果を出したいという顧客が現れてきました。われわれもデュアルコアや省電力がもたらす革新といった、次の話ができるようになりました。

阿部 プロセッサは、クロック周波数の競争に終止符が打たれ、マルチコアからさらにメニーコアへと消費電力を抑えながら性能を高めていく戦いに移行しています。そしてインテルは2006年、ノートブック/デスクトップからボリュームサーバ向けのインテル® Xeon® プロセッサ ファミリ、そしてフラグシップのインテル Itanium 2 プロセッサ ファミリに至るまですべてのプロセッサのデュアルコア化を果たすことができました。

インテル マーケティング本部長 阿部剛士氏

 7月に発表したインテル Itanium 2 プロセッサ 9000番台は、シングルコアのMadison 9Mと比較して2倍の性能を叩き出していますが、消費電力は130ワットが104ワットと20%低減、消費電力当たりの性能は実に2.5倍に達しています。また、従来であれば、デスクトップ用プロセッサ並みの75ワットで動作するバージョンも用意し、ブレードサーバにも採用できるようにしました。

 HPをはじめとするメーカ各社からも9000番台を搭載したサーバの出荷が始まり、インテル Itanium 2 プロセッサ ファミリ搭載サーバの出荷台数にも勢いがついています。2006年第1四半期から第3四半期までで前年同期比で約2倍の台数のインテル Itanium 2 プロセッサ ファミリベースのプラットフォームが出荷されました。また、将来についても、インテルでは、「Montvale」「Tukwila」「Poulson」という向こう3世代にわたるロードマップを明らかにし、インテル Itanium 2 プロセッサ ファミリを強化していきます。

松本 顧客らの質問も、「HPはインテル Itanium 2 プロセッサ ファミリのロードマップをどのようにサーバ製品に採用していくのか?」「インテル Itanium 2 プロセッサ ファミリ搭載サーバが自社のインフラストラクチャーにどのような影響をもたらすのか?」といったものに変わってきています。もはや顧客はインテル Itanium 2 プロセッサ ファミリを当たり前のものとして受け入れ始めています。

ITmedia 顧客にソリューションをもたらすISVとのパートナーシップはどう進展しましたか?

松本 春に米国で、インテル、オラクル、そしてHPの経営トップが集まり、インテル Itanium 2 プロセッサ ファミリを推進する提携が発表されたのをきっかけに、大きな流れが出来ました。IBMを含む多くのISVがインテル Itanium 2 プロセッサ ファミリのサポートに動いています。日本市場でも、インテルと共同でマーケティング活動を展開する中、多くのISVの協力を仰ぐことができています。

阿部 ISVとの連携強化は、Itanium Solutions Allianceのメンバー数の増加にも表れています。2005年9月の発足当初、23社だったメンバーは120社以上にまで増えました。また同アライアンスの活動を受け、インテル Itanium 2 プロセッサ ファミリに対応したアプリケーションの数もこの2006年9月時点で1万本を超えるにいたっています。

インテル Itanium 2 プロセッサ ファミリに求められる高い信頼性

ITmedia 11月にはインテルアーキテクチャとしては初となるクアッドコアプロセッサがインテル Xeon プロセッサ ファミリに追加されています。インテル Itanium 2 プロセッサ ファミリはどのように住み分けていくのでしょう。

阿部 ボリュームサーバ向けのインテル Xeon DPプロセッサ ファミリは、Coreマイクロアーキテクチャを採用し、デスクトップ向けのCore™ 2 Duo プロセッサとコアが共通化されています。一方、インテル Itanium 2 プロセッサ ファミリはミッションクリティカルな領域で求められる高い信頼性を目指しており、アプローチが異なります。

 例えば、フォールト・トレラント・システムのHP NonStop Serverは99.99999%という高い可用性を実現していますが、そのためにはプロセッサ自体がそのための高い可用性を持っていなければいけません。

 デュアルコアのインテル Itanium 2 プロセッサ 9000番台ではキャッシュも24Mバイトへと大容量化していますが、修復が不可能な障害が発生したキャッシュ・ラインを無効化する「インテル キャッシュセーフ・テクノロジー」が盛り込まれています。また、2つのソケット間で同じ処理を行い、結果が同じでなければ、やり直すという「ロックステップ」の機能も搭載されています。

 このように可用性を求める中では、さまざまなロジックが追加され、それによって省電力化のハードルも高くなりますが、われわれはこれを克服し、インテル Itanium 2 プロセッサ 9000番台では性能を2倍に向上させながらも消費電力は20%低減できました。自信を深めているところです。

 こうしたさまざまな機能も仕様策定の段階からHPの協力を仰ぎ、意見を聞きながらインテルがコアに盛り込んだものです。ほかのサーバメーカーもこうした機能を利用できるのですが、「使う/使わない」はそれぞれの判断となり、それが差別化となります。インテルが推進するオープンなアーキテクチャでは、競争と協業が同時に存在し、革新をさらに加速することができるのです。

ローエンドやブレードにもインテル Itanium 2 プロセッサ ファミリ採用

ITmedia HPとしては、インテル Itanium 2 プロセッサ ファミリを搭載したIntegrity ファミリではどのような製品展開を考えているのでしょうか。

松本 省電力を実現したインテル Itanium 2 プロセッサ 9000番台の登場によって、Integrityファミリにも幅の広がりが生まれるでしょう。これまでのようなミッドレンジやハイエンドだけでなく、2ソケットというローエンドでも顧客のニーズにこたえられる製品を提供していきたいと考えています。また、IBMやサン・マイクロシステムズとは異なり、ブレードサーバにもインテル Itanium 2 プロセッサ ファミリを本格的に採用していきます。2007年は、Integrityファミリの幅を広げていく年になるでしょう。

 HPのサーバ戦略は、HPとコンパックが合併した2002年から変わりなく、首尾一貫しています。それは、サーバのプロセッサ技術については、標準技術を使うということです。

 その上でHPは、チップセットを開発し、スケールアウトからスケールアップまで、信頼性の高いサーバをつくる技術や仮想化技術で差別化を図っていきます。ちなみに、6月に発表した第3世代のブレードサーバ、「HP BladeSystem c-Class」には、NonStop Serverの領域で培ったシャーシー技術の応用、I/O仮想化技術、Superdomeのバックプレーン技術などが盛り込まれています。こうした優れた周辺技術を束ねていく作業も2007年以降、ますます進んでいくと思います。

仮想化には標準化が必要

ITmedia 2006年は、「仮想化」が脚光を浴びた年でもありました。

松本 HPは「アダプティブ エンタープライズ」を掲げ、顧客が変化に素早く適応できるよう支援しています。日本市場においても、企業合併は珍しいことではなくなりました。また、成長を維持するために、新しいサービスを投入したり、異なる分野に参入したりする企業もあります。しかし、新しいサービスごとに新しいITリソースを導入したりするでしょうか?

 HPでは、そうしたときのためにも、ITリソースは標準技術ベースで柔軟であるべきだと考えています。そして、仮想化技術を導入すれば、プールされたリソースからその都度割り当て、必要がなくなれば元に戻すことができます。

 ITリソースの仮想化のためには、ミドルウェア、ハードウェア、そしてプロセッサレベルまで仮想化の機能が求められます。HPでは、それぞれのレイヤーでエコシステムを構築し、システムとして稼働することを担保していく取り組みを展開しています。

ITmedia 仮想化技術はメインフレームなどで長い歴史があります。オープンなインテルアーキテクチャはどのように追い掛けるのでしょうか。

阿部 確かに仮想化技術は昔からあります。インテルアーキテクチャでもソフトウェアベースで実現してきました。しかし、同じ仮想化でもソフトウェアでやるのと、ハードウェアでやるのとでは、性能と堅牢性が違ってきます。

 インテルでは、オープンなアプローチの中で、仮想化技術のハードウェア化を進め、より高い柔軟性を実現していきたいと考えていきます。今後は、ハードウェアでI/Oの仮想化を図り、また仮想化をソケットレベルではなく、コアレベルできめ細かく実現できるよう進化させていきます。

徹底した仮想化技術の活用で顧客に価値を

松本 われわれは、標準化と仮想化を推進しています。プロセッサ、OS、ミドルウェア、アプリケーションの仮想化技術を徹底して活用していきますが、そのアプローチは標準ベースだということです。IBMは、オープンな環境における組み合わせをどこまでサポートしてくれるでしょうか?

この1年を振り返る対談を終えて

 われわれは、6月にNECや日立製作所と、HP-UXをベースとして仮想化された環境で3社のミドルウェアと主要なアプリケーションの組み合わせを動作検証する共同プロジェクトを開始しました。また、11月には日本オラクルが開設した「Oracle GRID Center」にも参画し、ミドルウェアのグリッド技術とサーバおよびストレージの仮想化技術やソリューションを組み合わせて検証していきます。

 標準化されたシステムを導入して、それらを統合して初めて仮想化の恩恵を享受できるのです。われわれベンダは、「すぐに仮想化が実現できます」といった甘い話をしてはいけませんし、部門での効果を積み重ねながら、顧客が取り組んでいけるよう支援していかなくてはなりません。

 IBMは「仮想化技術」における先駆者でもあり、高く評価しています。われわれはそれを標準の世界で実現していきたいと考えています。

阿部 インテル Itanium 2 プロセッサ ファミリでは1994年の開発段階からHPの協力を仰いできました。インテル Itanium 2 プロセッサ ファミリはHPのDNAを受け継いでいるのです。2006年のインテル Itanium 2 プロセッサ ファミリは、前述のとおり非常に大きな成長を見せていますが、2007年もさらにHPが日本市場を牽引していただくことを期待しています。


インテル、Intel ロゴ、Intel Inside、Intel Inside ロゴ、インテル Xeon、Itanium、Itanium inside, Xeon inside およびCentrinoはアメリカ合衆国および他の国におけるインテル コーポレーションまたはその子会社の商標または登録商標です。

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制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2006年12月31日