インテル® Itanium® 2 プロセッサ×HP Integrity特別対談“過去”からの脱却──エンタープライズ・サーバー選択の新常識(1/3 ページ)

1994年、Hewlett-Packard(HP)とIntelが共同で開発を始めたアーキテクチャ「EPIC」(Explicitly Parallel Instruction Computing:明示的並列命令コンピューティング技術)をベースとしたインテル® Itanium® プロセッサも世代を追って性能と完成度が高まり、今やItanium® 2 プロセッサ搭載システムの出荷金額は、RISC搭載システムのそれを凌駕する。2006年には、Itanium® プロセッサ ファミリでは初めてとなるデュアルコアプロセッサも登場し、HPの「3 OS戦略」や「仮想化技術」などがその性能をさらに引き出す。日本HPでエンタープライズ事業を統括する松本芳武執行役員とインテルでマーケティングを統括する阿部剛士本部長に話を聞いた。

» 2006年01月18日 14時00分 公開
[ITmedia]
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ITmedia インテル® Itanium® 2 プロセッサが開発された背景を教えてください。

松本 Hewlett-Packard(以下HP)は、1990年代から「PA-RISC」というRISCのアーキテクチャを自社開発してきました。命令コードを単純化することで高速化を図ったRISCプロセッサの技術を科学技術計算以外のコマーシャルユースの市場にも投入し、かつ広めてきたことに自負を持っています。


日本ヒューレット・パッカード株式会社
執行役員 エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 統括本部長
松本芳武氏

 当然、技術というのは、ある時間枠の中で次の技術に取って代わられる運命にあります。HPもRISCプロセッサを投入したときからそれを見越し、次の技術を開発していました。しかし、プロセッサの開発には莫大な投資が必要となります。次のアーキテクチャへの投資とその回収を可能にするには、もっと広範な市場で使われ、かつ、いろいろなベンダーがいろいろな顧客に提供していく必要があるとHPは考えました。

 HP単独でプロセッサ開発を進める選択肢もありましたが、市場でもっと幅広く採用してもらえるパートナーとともに次のアーキテクチャを市場に投入していく道を選びました。インテルであればHPの思いを実現し、かつ、多くのベンダーが採用できるビジネスモデルを構築できるからです。

 「EPIC」という性能向上技術を生かしたプロセッサの共同開発は1994年から始まり、2001年5月に最初のインテル® Itanium® プロセッサ(開発コード名:Merced)の発表に漕ぎ着けました。必ずしも予定どおりに開発が進んだわけではありませんが、世代を経ることで性能と完成度が高まり、現在では顧客企業にとって価値の高いプロセッサ、および搭載システムとして提供できるようになっています。

Itanium® 2 プロセッサのボリュームは桁違い

ITmedia 利用の広がりは、当初の狙いどおりですか?

松本 インテル® Itanium® 2 プロセッサは非常に付加価値の高いプロセッサです。従来、RISCサーバベンダーが提供していたミッドレンジからハイエンドのサーバ領域は、このインテル® Itanium® 2 プロセッサのアーキテクチャに置き換わっていく可能性を秘めていると思います。

 インテルが出荷するプロセッサの数は、RISCプロセッサのそれとは桁が違います。インテルの開発能力や製造能力を生かしてインテル® Itanium® 2 プロセッサを市場に投入すれば、RISCプロセッサ全体のビジネスボリュームを大きく超えていくことができると思います。

阿部 1994年、HPとの共同開発が始まったとき、市場には大きな2つの潮流がありました。インターネットの広範な普及と水平分業型ビジネスモデルの広範な広がりでした。


インテル株式会社
マーケティング本部 本部長
阿部剛士氏

 当時のインテル社内では、CISC、RISC、スーパースカラー方式、スーパーパイプライン方式といったアーキテクチャや性能向上技術同士の戦いがありましたが、インターネットの広範な普及や、ミッションクリティカルな分野への取り組みを考えたとき、将来の厳しいワークロードに耐え得るアーキテクチャや設計思想を持たなければなりませんでした。

 そこでHPとインテルはお互いに得意な分野を持ち寄って水平分業型のモデルを構築し、サーバ分野、特に垂直統合型モデルの典型であるメインフレームが支配的だったミッションクリティカルな分野に持ち込むべく、その第一歩を踏み出しました。

 2001年5月に最初のインテル® Itanium® プロセッサ・ファミリであるインテル® Itanium® プロセッサ(開発コード名:Merced)を発表、翌2002年7月にはインテル® Itanium® 2 プロセッサ(開発コード名:McKinley)へとブランドを変え、ムーアの法則を凌駕するパフォーマンスの向上を図ってきました。

 カギを握るのはエコシステムの構築、特にソフトウェア資産の充実ですが、この数年、大きな進展がありました。2005年の第3四半期を見ると、インテル® Itanium® 2 プロセッサ搭載システムの出荷金額は、SPARC、PowerといったRISC搭載システムのそれを凌駕しています。特に日本国内の市場においてはそれが顕著で、個々に比較してみても、SPARC搭載システムの1.6倍、Power搭載システムの1.17倍に達しています(IDCジャパン調べ**)

** 出典:IDC Worldwide Quarterly Server Tracker, Q3 2005

松本 HPにおいても、PA-RISCからインテル® Itanium® 2 プロセッサへの移行が加速しており、また、HP以外のベンダーによる採用も活発になっています。それがこうした結果を生んでいるのだと思います。

 まだ、インテル® Itanium® 2 プロセッサに対してさまざまな見方がありますが、その将来について、大丈夫だと確信を持っているのは日本市場だと思います。

阿部 日本市場では、日本HPの躍進に目を見張るものがあり、それがこの市場におけるインテル® Itanium® 2 プロセッサの成功につながっていると思います。

松本 もちろん、グローバルでもインテル® Itanium® 2 プロセッサを搭載したHP Integrityシリーズへの移行が加速しています。HPの2005年第4会計四半期(8月〜10月)には、前年比で70%も伸びています。

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制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2006年6月30日