日本IBM、システム開発の統制を支援するRational製品を発表

日本IBMは6月6日、システム開発の統制を支援する基盤ソフトウェアとしてRational Softwareの新製品となる「IBM Rational Software Development Platform V7.0」を発表した。

» 2006年06月06日 13時11分 公開
[ITmedia]

 日本IBMは6月6日、米国時間の4日からフロリダ州オーランドで開催中の年次カンファレンス「IBM Rational Software Development Conference 2006」での発表を受ける形で、Rational Softwareの新製品となる「IBM Rational Software Development Platform V7.0」(Rational SDP V7.0)を発表した。

 同製品は、企業のソフトウェア開発における「プログラム変更」の領域を支援するもので、この登場の背景には、SOX法に代表されるガバナンスへの対応が見て取れる。特に、2009年3月期の施行が予想されている日本版企業改革法(日本版SOX法)で、ITを使用した部分への対応としては、業務処理統制と全般統制の2点を確立する必要がある。このうち、後者のIT全般統制については、PCAOB(公開会社監視委員会)で、「プログラム開発」「プログラム変更」「コンピュータ運用」「プログラムやデータへのアクセス」の4つが例示されているが、同製品は、ソフトウェア開発の「プログラム変更」の領域を支援するものと位置づけられる。

Rational SDP V7.0での製品の位置づけ

 Rational SDP V7.0で特徴的な中核製品は3製品存在する。ソフトウェア開発における「変更プロセス」をリポジトリで一元管理することでプログラム変更作業の監査を可能にする「IBM Rational ClearQuest V7.0」、Apache ANTと連携したビルドの監査を可能にした「IBM Rational ClearCase V7.0」、2006年5月に買収したBuildForgeの製品で、ソフトウェアの配布プロセスを自動化するビルド(構築成果物)管理とリリース管理を行う「IBM Rational Build Forge V7.0」である。

ClearQuest Test Manager

 今回の製品群により、ソフトウェア開発や変更といったプロセスに監査性を持たせるこを実現したほか、プログラムの開発が完了した後の構築作業および実行可能なソフトウェアを実稼働環境に配布する作業が自動化されたことで、ヒューマンエラーの低減などソフトウェア配布作業の安全性を高めることが可能となった。また、Rational ClearQuestが備えるワークフロー機能によって、開発者、テスト担当者、運用管理者などの職務分離を強化することも可能となっている。

 新製品の出荷日と料金はそれぞれ次のとおり。

製品名 出荷日 使用料金(税別)
IBM Rational ClearQuest V7.0 6月7日 23万1000円から
IBM Rational ClearCase V7.0 6月7日 58万9000円から
IBM Rational Build Forge V7.0 6月23日(予定) 未定

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