パケットロスの影響を10分の1に――NECが総合的な音質向上を図ったVoIPミドルウェアを開発

NECは、パケットロスの多いIPネットワーク環境でも音切れ・無音などの音質劣化のない音声コミュニケーションを可能にするVoIPミドルウェアを開発した。

» 2006年06月26日 13時12分 公開
[ITmedia]

 NECは6月23日、パケットロスの多いIPネットワーク環境でも音切れ・無音などの音質劣化のない音声コミュニケーションを可能にするVoIPミドルウェアを開発したと発表した。

 パケットロスを短い遅延時間で回復し、音切れや無音による音質劣化を防ぐVoIP用エラー訂正技術「FEC(Forward Error Correction)」を開発。パケットロスの影響を10分の1に低減することを可能にした。また、IPネットワーク上でのパケット到着時間の揺らぎだけでなく、PC上で負荷の高いアプリケーションが動作しても音切れしにくいジッタバッファ制御技術を搭載した。

 そのほか、クリアな音質の広帯域標準音声コーデックなどITU-T、3GPP標準の音声コーデックを複数採用し環境に応じた選択を可能にしたほか、オフィスの雑音やハンズフリー会議時のエコーを除去する音響処理技術を搭載しているという。

 同社によると、VoIPの音質向上に向け、従来から通信処理(パケットロス、ジッタ処理)、音響処理(エコーキャンセラ、ノイズサプレッサ)などの要素技術は開発されていたが、これらを統合した総合的な音質向上対策がなされておらず、パケットロスが多い環境では十分な効果が上がっていなかった。これらの要素技術をVoIPミドルウェアとして統合したことにより、次世代ネットワーク(NGN)を活用したIPベースの高品位なサービスを可能にできるとしている。

 NECでは、同社のソフトフォンやWeb会議システムなどに適用していくほか、UDPが利用できない環境でも高品質な音声コミュニケーションを可能にするVoIPミドルウェアの開発も進めていく予定だ。

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