インタビュー
» 2006年06月30日 07時00分 公開

シマンテック社長 木村裕之氏――「IT基盤全体の安全と信頼をモットーにネット社会を全方位でプロテクトしたい」 (1/2)

昨年7月、米国でセキュリティソフトメーカーのシマンテックとストレージ管理ソフトメーカーのベリタスソフトウェアが合併して新生シマンテックが発足したのに伴い、今年4月に両社の日本法人も合併して株式会社シマンテックが新たなスタートを切った。合併の準備段階から経営トップとして陣頭指揮を執ってきた木村裕之社長が掲げる新生シマンテックの強みと今後の重点戦略とは。

[松岡功,アイティセレクト]

 シマンテックといえば、一般的にはノートンブランドのウイルス対策ソフトが広く知られているが、実は、売上高構成比の多くを占めているのは企業向けのビジネスである。もっとも合併前は個人向けと企業向けがほぼ半々だったようだが、ストレージ管理ソフトを主体とするベリタスとの合併で、今では企業向けが7割を超えるという。今年4月1日付で合併したシマンテック日本法人だが、昨年7月に新生シマンテックの米国本社が発足した時点から、旧シマンテックと旧ベリタスの両日本法人の組織を機能的に統合して活動を始めた。昨年10月には旧ベリタス日本法人の社長を務めていた木村氏が旧シマンテック日本法人の社長も兼務する形となり、同氏の陣頭指揮のもとで新生シマンテック日本法人へ向けた体制づくりが行われてきた。その意味では、合併1年目から明確な統合効果を示すことが木村氏のミッションといえる。その木村氏に、まずは日本法人合併後の活動状況、そして新生シマンテックの強みについて語ってもらった。

シマンテック社長 木村裕之氏

時代の要請に基づいて誕生した新シマンテック

アイティセレクト 合併後の活動はスムーズに進んでいますか。

木村 新生シマンテックはネット社会において万全なセキュリティを追求してきた旧シマンテックと、アベイラビリティ(可用性)を追求してきた旧ベリタスが展開してきたさまざまなソリューションによって、「IT基盤全体の安全と信頼」を提供しようということで発足しました。それに向けた体制がここにきてようやく整ってきたというところです。企業の合併というと、全体的に落ち着くまでにしばらく時間がかかると言われますが、私たちの場合は昨年7月以来、着々と準備を進めてきたこともあって、合併後の活動も概ねスムーズに進んでいます。

アイティセレクト 合併に当たって苦労された点は。

木村 両社とも業績を伸ばしていましたし、製品群も重複していなかったので、さしあたってのビジネス展開上の問題はさほどありませんでした。したがって合併時によくありがちな人員削減や大がかりな組織改変を行う必要もなく、すぐさま両社のソリューションをどう連携させて市場拡大を図っていくかというアグレッシブな活動に力点を置くことができたのは、とても幸運だったと思います。その分、米国本社からの期待値も高いので、がんばらないといけません。ただ、マネジメントの面ではこれまで別々の会社だったわけですから、お互いに歩み寄る形で統合していく必要があります。合併で仕組みはできましたが、企業風土としてしっかり定着していくには少し時間がかかるだろうと思っています。

アイティセレクト 新生シマンテックの強みはどこにありますか。

木村 これまで、旧シマンテックはセキュリティソリューションベンダーとして「外」からの脅威を防いできたのに対し、旧ベリタスはハイアベイラビリティソリューションベンダーとして「内」からの脅威に対応してきました。しかし、これからのネット社会全体を安全にしていくという観点でいま求められているのは、どちらか一方のソリューションだけではなく、両方を連携・統合させたトータルソリューションです。しかもセキュリティやアベイラビリティに対するニーズは、ここにきてどの企業もコンプライアンスやカバナンスへの対応が迫られている中でますます高まってきており、ソリューションの品質も一層問われるようになってきています。そうした背景の中で発足した新生シマンテックは、まさしく時代の要請を受けて誕生したといえます。まずはそのスタンスそのものが大きな強みになると考えています。

 また、そうした時代の要請に基づいたソリューションを展開していくうえで、それを支える強力なバックボーンの仕組みを備えています。シマンテックは全世界に2万個を超えるセキュリティ用のセンサーをインターネットに配置しており、さまざまな脅威に対して即座に分析し対応できる体制をとっています。日夜その対応に追われているセキュリティオペレーションセンターおよびセキュリティレスポンスラボが、世界規模で一つのバーチャルチームとして統合されており、さまざまな脅威に対して24時間365日体制で分析情報や対処策を提供し、それらの情報をもとにソリューションの品質向上を図っています。こうした仕組みこそ、まさしくシマンテックならではの強みだと自負しています。

 さらに日本法人として今後一層強みにしていきたいのは、日本のお客様がさまざまな利用環境でシマンテック製品をお使いになるうえでの検証試験や、日本市場に合ったソリューションの開発を行うジャパンエンジニアリングセンター(JEC)の活用です。世界中でもとりわけ高い品質が求められる日本市場でしっかりとしたビジネスを展開していくためにも、JECをフル活用していくつもりです。

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