SteelEye LifeKeeper for Windows(その3)最新ソフトウェア 今月の差分情報(1/3 ページ)

今回もLifeKeeperのバージョンアップ点を見ていこう。今回のバージョンアップでは、各サーバアプリケーションの動作をサポートする各種のARKが追加されるなど、アプリケーションやOSへの対応状況が拡充されている。今回はその辺りを詳しく見ていこう。

» 2006年07月21日 08時00分 公開
[敦賀松太郎,ITmedia]

新しいアプリケーションリカバリキットの提供

 LifeKeeperの特徴の1つにアプリケーションリカバリキット(ARK)の存在がある。ARKは、各サーバアプリケーションに特化したリソース定義、リソース間の依存関係定義、障害検出機能、フェイルオーバー機能、運用管理機能を提供するもの。ARKを利用することにより、スクリプトを記述してテスト、運用するような設定が一切不要になっている。今回のバージョンアップでは、ニーズが高かったいくつかのARKが追加されている。

差分3 IBM Director ARKの追加

 「IBM Director」は、IBMのIAサーバ「xSeries」「BladeCenter」などを包括的に管理するシステム管理ソフトウェアだ。LifeKeeper v5.2では、IBMDirectorに対応したARKを追加し、IBM Directorが稼働する環境における障害発生や計画停止からサーバを保護するクラスタシステムを構築できる。

 IBM Directorは無償ツールであるため、IBM Director ARKも「LifeKeeper Protection Suite for IBMDirector on Windows」として、LifeKeeper本体とともに無償で提供されており、テンアートニのホームページから自由にダウンロードして利用することが可能だ。ただし、サポートサービスのみ別途費用が必要になる。

 なお、LifeKeeper Protection Suite for IBM Director on Windowsは、IBM Director ARK専用であり、他のシステムをクラスタ構成にしたり、他のARKを組み込んで利用することはできない。

図1 LifeKeeper Protection Suite for IBM Director on Windowsのシステム構成

差分4:SAP ARKの追加

 企業業務アプリケーションとして多くのユーザーを抱えるERPパッケージ「SAP」。LifeKeeper v5.2では、SAPに対応したARKが追加されている。このARKは、SAP Central Instance(CI)を冗長化するもので、SAP Message Server、Enqueue Service、Share communication resource、File shareなどをクラスタ構成にするための設定が用意されている。

図2 SAP Central Instance(CI)を冗長化するSAP ARK
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