「一桁」小さい障害回復時間を実現、ノーテル

ノーテルネットワークスは、同社のレイヤ2/3スイッチが搭載する冗長化技術「SMLT」「R-SMLT」の機能を拡張した。

» 2006年09月06日 19時21分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 ノーテルネットワークスは9月6日、同社のレイヤ2/3スイッチ「Nortel Ethernet Routing Switch」が搭載する冗長化技術「SMLT(Split MultiLink Trunking)」および「R-SMLT(Routed Split MultiLink Trunking)」機能を拡張した。同時に、搭載機種も拡大している。

 SMLTおよびその応用技術であるR-SMLTは、ノーテルが独自に開発したトランキングテクノロジだ。筐体をまたいで経路を束ねることにより、パフォーマンスを高めるだけでなく冗長性を確保する。

 このうちSMLTは、複数のスイッチを仮想的に1台にまとめて見せることで、レイヤ2での冗長化を実現する技術だ。

 一般にレイヤ2での冗長化には、スパニングツリープロトコル(RTP)やラピッドスパニングツリープロトコル(RSTP)が利用されるが、この場合、復旧までに数秒単位の時間を要する。これに対しSMLTでは、あらかじめ「互いの配下に何がつながっているか」という情報を共有することで、どちらかのスイッチに障害が発生しても1秒以内で高速に切り替えを行い、通信を継続させる。

 その発展系であるR-SMLTは、VRRPのようにルーティングポイントに関する情報を共有することで、レイヤ3での冗長化を実現する技術だ。

 大規模ネットワークでは、RIPやOSPFを用いてルーティングテーブルを交換し、障害時にはその再計算を行うことで復旧を図るが、そのパターンでは回復までに数十秒単位の時間を要する。一方R-SMLTでは、あらかじめ経路に関する情報を共有しているため、テーブルの再計算や書き換えを行う必要がない。このため、ルーティングプロトコルに依存することなく冗長化を図れるという。また、エッジ側で他ベンダーのスイッチを利用できる点もメリットだとした。

 同社によるとR-SMLTでは、ネットワークの規模や構成にもよるが、障害が起こっても1秒以内での切り替えが可能という。特にコアスイッチの「Nortel Ethernet Routing Switch 8600シリーズ」に追加モジュール「SuperMezz」を組み合わせれば、最短で0.1秒以内での切り替えを実現でき、VoIPなどのアプリケーションでも支障のない環境を提供できるとした。

SMLT/R-SMLTのデモ。光ファイバーケーブルを抜いたり、電源を落としたりしても音声通話を継続できる

 同社エンタープライズ&チャネルズ営業本部の本間隆光氏(エンタープライズマーケティングディレクター)は、SMLTでは、回線の片方を待機系として遊ばせておくのではなくアクティブ-アクティブ構成で利用できることから、「復旧までのスピードと投資対効果の両方を満たすことができる唯一のテクノロジ」だと述べている。

 SMLTはNortel Ethernet Routing Switch 8600シリーズのほか、同5500/1600シリーズで利用でき、R-SMLTは8600シリーズのみでの実装となる。いずれも、対応ソフトウェアの新バージョンを搭載することで利用できる。

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