ベールを脱いだマイクロソフトの次世代サーバOSその2――検疫ネットワークのサポートとIISの機能強化Windows Server 徹底活用(2/2 ページ)

» 2006年09月26日 08時00分 公開
[富樫純一,ITmedia]
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.NET Framework 3.0を統合した新しいIIS

 IIS 7.0は、Longhornのインターネットサーバ機能であり、ASP.NET、Windows Communication Foundation、Windows Workflow Foundationなど最新の.NET Framework 3.0、およびWindows SharePoint Services 3.0を統合するWebアプリケーションの実行基盤である。

 IIS 7.0では、以下の5つの機能強化が行われている。

1.モジュール構造のアーキテクチャ
 IIS 7.0は、管理者または開発者がWebサーバにインストールして実行する機能を細かくカスタマイズできるようになっている。個別にインストールできる40以上の独立したモジュールで構成されており、未使用部分を狙った攻撃を受けにくくなる。

2.拡張性が高いAPI
 IIS 7.0の中核をなすWebサーバ機能は、新しいAPIセットを使用して構築されている。開発者は、ネイティブ Win32 API およびマネージ.NET Framework APIとして使用し、Webサーバの機能を自由自在に拡張、追加することが可能だ。また、イベントログ、構成、管理ツールなどの機能セットも拡張できる。

3.分散可能な統一構成モデル
 IIS 7.0では、管理者または開発者向けにすべての設定と1つのXMLファイルに格納できる統一構成システムが用意されている。この新しい構成システムは、構成ファイルの分散もサポートしており、Webサイトやアプリケーションとともに分散構成ファイルも保存できる。この機能により、Webサイトの設定やアプリケーションの設定はローカルコンピュータ上で一元管理される構成ストアに結び付けられなくなったため、開発者のコンピュータからテストサーバ、あるいは実運用のWebサーバに構成情報を簡単にコピーすることが可能になった。

4.新しい管理ツール
 IIS 7.0では、管理業務を自動化する新しいGUI管理ツール、新しいコマンドライン ユーティリティ、新しいマネージAPI、新しいWMIプロバイダなど、Webサイトやアプリケーションの日常の管理業務を容易にする多くの管理機能が用意されている。新しいGUI管理ツールでは、IISとASP.NETの両方の構成設定、メンバシップユーザー、役割データ、実行時の診断情報など、Webサーバを効果的に管理する新しい機能が提供されている。また、Webサイトの管理権限を開発者やコンテンツの所有者に委任できるので、管理負荷は大きく軽減される。HTTP経由によるリモートサーバ接続もサポートする。

新しいGUI管理ツールであるIIS Manager

5.診断機能
 IIS 7.0では、管理者または開発者がWebサイトやアプリケーションのトラブルシュートを容易に行えるように、現在実行している要求、実行時間、呼び出したURL、呼び出し元のクライアントなどさまざまな実行時の診断情報が公開されている。また、エラー検出時に要求をトレースし、自動的にログに記録する構成も可能だ。

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