内側も外側も改善されたLonghorn Server

Server Managerに新しい診断機能――診断機能Longhorn Serverのビルドを使ってみて、その改良点に感銘を受けた。

» 2006年05月24日 17時25分 公開
[Jason Brooks,eWEEK]
eWEEK

 eWEEK LabsはLonghorn Server Builds 5381および5384をテストし――同OSを目にしたのはこれが初めてだった――その内側についても外側についても、Microsoftの刷新の進み具合に感銘を受けた。

 外から見たところでは、Longhorn ServerはWindows Server 2003の持つ構成のしやすさという強みを拡大しているようだ。見えない部分では、新しいTCP/IPスタックを備え、同製品のコアサーバロールのほとんどにおいてパフォーマンスと機能性を改善している。

 Longhorn Serverは次期クライアント版WindowsのVistaがリリースされてしばらくしてから出荷される予定だ。だがわれわれは、多くの組織がVistaに移行する前にLonghorn Serverにアップグレードすると予測している。Windowsサーバのアップグレードの場合、クライアントOSのアップグレードよりもかかわるマシンが少なく、アップグレードした1台当たりの価値も高い。

 Windows 2000 Serverで走らせているサイトは、ビルドを入手できるようになったらすぐにLonghorn Serverの評価を始めることをお勧めする――2000 Serverほどではないが、Windows Server 2003を使っているサイトにもたぶんお勧めだ。Windows Server Longhornβ2は、MSDNおよびTechNet会員なら入手できる(関連記事参照)。β3がリリースされたときには、誰でもダウンロードできるだろう。

共通の土台

 Longhorn ServerはWindows Vistaと同じコードベースに基づいている。またLonghorn Serverには、Vistaのテストビルドで目にしたのと同じファイルマネジャー、Internet Explorer(IE)、コントロールパネルの調整が見られることに気付いた。

 Longhorn Serverにないのは、Vistaで提供されている新しいAero Glass(3D効果のあるユーザーインタフェース)やAero(3Dなしのインタフェース)のオプションだ。代わりに、Windows 2000の古典的な青と灰色の外観を備えている。これはテストの際には問題にならなかった。実際、華やかな要素をすべて片付けたLonghorn Serverは、これまでテストしたVistaよりも高速で、パフォーマンス予測もしやすかった。

サーバマネージャ

 今のところ最も目に付きやすいLonghorn Serverの新機能は「Server Manager」だ。VistaおよびLonghornの新しい「Microsoft Management Console Version 3」をベースにしたServer Managerは、Windows Server 2003マシンでデフォルトで立ち上がる「サーバを構成する」ダイアログから生まれたものだ。だが、Server Managerは新しいロールの構成の開始点となるだけではなく、サーバ上でユーザーが実行したいタスクのほとんどを集めている。

 われわれはServer Managerを使って新しいロール(Terminal ServerやInternet Information Services(IIS)Webサーバロール)をテストマシンに追加してみた。だがWindows Server 2003とは違って、一度に複数のロールをインストールすることもできた。Server Managerを使ってWindowsの負荷分散やフェイルオーバー機能などの新機能をインストールすることもできた。テーマエンジンやWindows Media PlayerなどVista固有の機能を組み込む「デスクトップ体験」コンポーネントをインストールするオプションもある。

 既にインストールしたロールについて、Server Managerはこれらロールに関連するアクションや情報を含むコントロールパネルを提示する。例えば、これらロールを構成するサービスが実行されているかどうかをすぐに確認できる。これらのサービスを開始、停止、再開したり、インストール済みロールに関連するイベントビュワーの項目を確認することも可能だ。

 われわれは特に、Longhorn Serverの強化された診断機能に感銘を受けた。これを使うと、アプリケーションのクラッシュや予期せぬリスタートなどのシステム障害を追跡できる。詳細でカスタマイズ可能なパフォーマンスグラフを監視することも可能だ(同じ診断機能がVistaにも搭載されている)。

 特に、有用な情報をたくさん表示するTask Manager式のビューの刷新により、すべての「svchost」プロセスが何をやっているかを正確に特定することまでできる。しかし、この診断インタフェースからプロセスをキルしたり、プロセスの優先順位を調整することはできなかった。また元々のデータの少ないTask Managerもまだ利用できる。

Longhornコアバージョン

 インストール時には、Windows Longhorn Serverを標準バージョンかコアバージョンのどちらでインストールするかを選択できた。コアバージョンでは、インストールされるサービスがDHCP、DNS、ファイルサーバ、ドメインコントローラコンポーネントに限られている。Longhorn Coreにはほかの任意のアプリケーションはインストールできなかったし、コアインストールできるほかのサービスの組み合わせを見つけ出すこともできなかった(例えば、IIS 7.0はこのような形でインストールできるようにしてほしいサービスの1つだ)。

 しかし、このコアオプションはWindows Serverにとっては確かに有望なステップであり、仮想化環境でWindowsを前進させる役に立つだろう。Linuxカーネルをベースにしたサーバ製品など競合するサーバソフトはたいていモジュール式で、目の前のタスクを処理するのに必要なコンポーネントだけで動作する。これはシステムリソースコストの節約につながる。

 コアサーバモードでは、Longhornは2個のターミナルウィンドウのみを起動する。ただしリモートマシン上でMMCを介してグラフィカルにコアインストールを実行することができた。

 Longhorn ServerではTerminal Services機能に、HTTP Secure経由のRemote Desktop Protocol(RDP)のトンネリングや、アプリケーションごとのセッションなどの興味深い改善が盛り込まれている。

 しかし、われわれは、Longhorn ServerのTerminal Services機能のすべてが、RDPバージョン6をサポートする――つまりWindows XP SP2以降を搭載する――マシンに限定されているように見える点を懸念している。Terminal Servicesの管理インタフェースを調べたが、後方互換性のあるセッションを行う方法を見つけられなかった。Longhorn Serverの正式版が登場する前に、このような後方互換性が追加されることを期待している。

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