マイクロソフトの日本法人は、9月2日の米国本社による次期サーバOS「Windows Server “Longhorn”(コードネーム)」Itanium版のターゲットワークロードの発表を受けて、国内でも同様の製品戦略を進めることを明らかにした。
Longhornはマイクロソフトの次期Windows Server製品で、2007年以降の発売が予定されている。クライアント版とサーバ版が同時開発されていたが、クライアント版は「Windows Vista」の名称となり、2006年中に発売の予定。
現行のサーバOSである「Windows Server 2003」は、2つの製品で2種類の64ビットアーキテクチャをサポートしている。1つはx64(AMD64/EM64T)、もう1つはIA-64(IPF:Itanium Processor Family)である。前者に対応する「x64 Editions」は、32ビットWindowsからの置き換えも含め、今後のPCコンピューティングのメインストリームとなるべくすべてのワークロードをカバーするという位置付けの製品。一方、後者のItaniumプロセッサを搭載するシステムに向けた「for Itanium-based Systems」は、高いスケーラビリティとパフォーマンスを備え、ミッションクリティカルな分野からLOB(Line Of Business:基幹業務)、データベース用途などのハイエンド向け製品となる。
今回、Windows Server “Longhorn”はこのItanium版Windows Server 2003のワークロードを踏襲する製品としてリリースされることが明らかになった。特定のスケールアップワークロード、つまり、データベース、LOBアプリケーション、カスタムアプリケーションなどに特化したハイエンドのサーバOSという位置付けとなる。
マイクロソフト Windows Server製品グループの高田信純氏は、「(Itanium版は)ミッションクリティカルな領域にポジションをおいて、UNIX/Linuxからのマイグレーションを推し進める」とその姿勢を明確にした。
現状の32ビット/64ビットの混在する環境については、「来年末までには64ビット環境への移行がほぼ完了するだろう。現在32ビット環境で稼動しているファイル&プリントサーバやActive DirectoryといったメインストリームのワークロードはLonghorn x64版でカバーし、その他のハイエンド分野にはItanium版でターゲットしていく」(高田氏)との先行きを示した。
さらに同グループマネージャの中川哲氏も、「パートナーとのアライアンスも重要。互いに協力して『Microsoft Windows ミッションクリティカル』といったビジネスの金字塔を打ち立てることがわれわれのゴール」と意気込みを見せた。
マルチコアやハイパースレッディングなどの技術投入を背景に、Itaniumプロセッサのミッションクリティカル分野への導入は急速に進むとの見方もあり、とくに国内で同社が遅れをとっているこの分野について特化したWindowsを投入することで、顧客獲得の巻き返しを図る。
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