NGNとサービスつなぐ「基盤」に注力、3年間で4000億円の売り上げ見込むNEC

NECは9月27日、NGN関連ビジネスの説明会を開催。同社が提供するサービスプラットフォーム群について説明した。

» 2006年09月28日 16時25分 公開
[ITmedia]

 「NGN(Next Generation Network)はユビキタス社会を支えるインフラであり、ひいては異業種の連携、ダイナミックコラボレーションを加速するもの。そこにはいろいろなビジネスチャンスが広がっている」――NECの執行役員常務、国嶋矩彦氏は9月27日に行ったNGN関連ビジネスの説明会においてこのように語った。

 NECはこれまでも、早ければ2007年後半に正式サービスの開始が見込まれるNGNの関連ビジネスを視野に入れ、ソリューション事業の強化や組織体制の整備などを進めてきた。ネットワークインフラとITを連携、融合させた新たなサービスの提案やシステムインテグレーション力を強みに事業を展開し、2007年度までの3年間で4000億円以上の売り上げを目指すという。

 「これまでのネットワークは、電話網なら電話、携帯ならば携帯という具合にネットワークごとに垂直統合型のサービスが展開されてきた。これに対しNGNでは、インフラとサービスとを切り離すことで、ネットワークに依存しない新たなサービスやアプリケーションが構築できる」(国嶋氏)。NECでは、そうしたサービスが共通に必要とする基盤の部分を提供していく方針という。

 具体的には、NGNを活用してさまざまなサービスを提供するキャリアやサービスプロバイダー向けに、インフラ(トランスポート)の上で動作するサービスプラットフォーム群を提供していく。これは大きく、呼制御やセッション制御といった機能を提供する「ネットワーク制御基盤」(IMS)と、APIを通じてさまざまなアプリケーションとの連動を可能にする「サービス提供基盤」(SDP)の2つから構成されている。

 このうちSDPは、さらに幾つかの製品から構成される。同日発表された新製品「NC7000シリーズ」もその1つで、コールコントロールとメッセージング、プレゼンス情報の管理、音声/映像コンテンツの蓄積や配信といった機能を提供する。上位のアプリケーションとはParlay-Xのほか、同社独自の拡張APIを通じて連携が可能だ。SDPを構成する製品としてはほかに、ストリーミング配信を行う「StreamPro」、SOA基盤となる「WebOTX」、RFIDシステム連携機能を提供する「RFID Manager」などが用意されている。

 先日、NTT東日本の「ひかり電話」で通話がつながりにくくなるという事故が発生したばかりだ。「今のIPネットワークは基本的にはベストエフォートということ。その課題を乗り越えるのが、QoSなどの機能を備えたNGN。冗長設計や信頼性の確保というのも非常に重要だと考える」(同社執行役員の粉川英夫氏)

 ほかにも多くのベンダーがNGNへの注力を明らかにしているが、「国内で、この領域でコンペティターとして大きく立ちはだかっているところはない」(粉川氏)。全世界的に見るとNokiaやAlcatelといった伝統的な通信系企業に加え、サービス提供基盤という意味でIBMやHP、BEA SystemsといったITベンダーが競合となり得るだろうが、同時に補完し合う関係にもなるとしている。

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