IBMにおけるSOA、米開催IOD 2006で語るIBM Information On Demand 2006

10月15日から開催のカンファレンスでIBMがSOAについて語った。現在の状況とともにIBMがとらえるSOA。メリットとなる4つの分野も挙げた。

» 2006年10月18日 11時22分 公開
[渡邉利和,ITmedia]

 米国アナハイムのコンベンションセンターを会場として、「IBM Information On Demand 2006」が10月15〜20日の6日間に渡って開催中だ。17日の基調講演では、“Helping Companies Become Innovators”というタイトルで、SOAに関する話題が展開された。

 登壇した米IBM、グローバルテクノロジーサービスのロバート・ザフェル氏は、IBMが提唱する“Information On Demand”とSOA(Service Oriented Architecture)との関連について語った。

SOAについて言及するロバート・ザフェル氏

 Information On Demandに基づく情報システムは、企業が企業内の多数のサーバやアプリケーション、パートナーや取引先など、さまざまな場所に散在して蓄積した情報に的確にアクセスでき、新たな利用を可能にすることで、情報から新たな価値を生み出すことができる。Information On Demandにとって、SOAは必須の要素というわけではないが、「企業内の情報をサービスとして提供する」という新しいモデルへの移行を容易にしてくれるものだ。

 SOAのメリットは、主に4つの分野で顕著だという。

1. データやコンテンツへの容易なアクセス

2. システム間の相互接続性や相互運用性の向上

3. コスト効率の向上

4. 統合された情報に基づくビジネスに関する洞察(Business Insight)の提供

 また、SOAを実現し、“Information On Demand”のための強固なインフラを構築するためには、7つの重要なビルディング・ブロックがあるという。

1. セキュアでスケーラブルなシステムを実現するための、よくデザインされたインフラストラクチャ・アーキテクチャ

2. Web ServicesとSOAのギャップ、アプリケーションとインフラストラクチャの要求とのギャップ、を共に埋めるためのエンタープライズ・インテグレーション

3. Web Servicesセキュリティ

4. システム・パフォーマンスのテストと測定のためのシステム

5. サービス・エンゲージメントとSLA

6. システムのアベイラビリティ(可用性)

7. ITインフラを柔軟でコスト効率の高いものにするための仮想化技術

 これらはすべてIBMの製品/サービスを利用することで実現でき、柔軟なITインフラの構築が可能になる。最後に同氏は、「IBMは企業自身が持つ情報から新たな価値を生み出すためのお手伝いをします(Helping You Create New Value from Your Information)」と結んだ。

IBMにおけるSOAを語るロバート・ルブラン氏

 続いて、米IBM、アプリケーション&インテグレーションミドルウェアソフトウェア部門のロバート・ルブラン氏が登壇し、そもそもSOAとはどのような技術か、ということについて解説を行った。サービスとは? サービス指向アーキテクチャとは? といった定義の部分から始め、企業のITシステムにとってのSOAのメリットはどのようなものか、IBMが提供する製品群がどのようにSOAを実現していくか、といった話までを短時間にまとめており、SOAに対するIBMの取り組みの成熟度を示す講演となっていた。

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