「データ品質が問題だ」――ビジネスオブジェクツがETL強化

ビジネスオブジェクツは、業務システムからデータを抽出しDWHにロードするETLツールを強化。データ品質の確保に焦点を当てた製品を投入し、多様なシステムから抽出されるデータの信頼性を確保する。

» 2006年11月21日 16時27分 公開
[堀哲也,ITmedia]

 日本ビジネスオブジェクツは11月21日、業務システムからデータを抽出し、データウェアハウス(DWH)にロードするETL(Extract, Transform and Load)ツール「Data Integrator XI」を強化すると発表した。1月9日からデータ評価のための「Data Insight XI」、データクレンジングツール「Data Quality XI」のほか、リアルタイムのデータ統合を可能にする「Data Federator XI」の3製品を提供。ETLツールを補完する。将来的には、すべての機能をData Integrator XIに統合する計画だ。

 ビジネスオブジェクツでは、従来のELT分野をEIM(Enterprise Information Management」と再定義しており、製品リリースが先行する「米国では対前年比で80%以上の伸びを見せている」成長分野。「パフォーマンスマネジメント(業績管理)やビジネスインテリジェンス(BI)といった上位レイヤだけでは不十分。会社全体のあらゆるサブシステムからデータを取ってきて統合するのが流れ」と、印藤公洋社長はETL強化の理由を話した。

 印藤公洋氏 日本ビジネスオブジェクツの印藤公洋社長

 今回発表したData Insight XIは、データソースに存在するデータの欠陥を評価するための製品。データエラーが含まれたレコードの数などをプログラムレスで事前に把握でき、クレンジング計画の策定に利用できる。Data Quality XIは、異なるデータソースからの顧客マスターの住所データを変換し、統一化できるツール。将来的には、Data Integrator XIと統合しETLツール上でデータ品質の確保も可能にする。

 これまでBIは、個別の業務ごとに利用されることが多かったが、最近では、販売とサプライチェーンを結び付けた分析を行いたいという全社規模のシステムが関係する分析ニーズが高まっている。それにはまず「データ品質の確保が重要」(印藤社長)と判断した。

 同時に、リアルタイム性を求めるビジネスユーザーに対応するため、仮想的なデータ統合を行うData Federator XIも投入する。大容量のバッチ処理に向くETLに比べて、少量だがリアルタイムな分析を行いたいニーズに対応できる。マルチソースに対するクエリーに掛かる時間を短縮するクエリー最適化技術を搭載し、データの移動を最小限にすることでリアルタイム分析を可能にした。

 同社は「Data Integrator XIと組み合わせて利用することで、多様な情報活用ニーズに対応できる」としている。販売・出荷は11月9日から。

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