予算も人員もそのまま データセンター管理の行き着く先(2/2 ページ)

» 2006年11月24日 08時00分 公開
[Kris Hagerman,ITmedia]
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 データセンター標準化ツールセットの最後の項目は、先進的なサーバ管理とクラスタ化技術だ。これらのツールによってデータセンター内のすべてのサーバ上で実行されているアプリケーションを詳細に把握できるだけでなく、それらのサーバを能動的に管理することが可能になり、結果、実行中のアプリケーションの可用性が保証される。

 サーバとアプリケーションの設定と依存性を確認して、リアルタイムな変更ができるだけでなく、定められた基準と実際のコンフィグレーションを比較して社内外のコンプライアンス要件を満たすことも可能だ。プロビジョニングツールを使用すれば、パッチの展開や新しいソフトウェアパッケージの導入など、ルーチン的なサーバ管理作業の多くを自動化し、人件費やミスの発生を削減できる。クラスタ化機能はアプリケーションの状態を監視し、計画に基づくダウンや突然のダウンの際には、他のサーバにアプリケーションを移動させられる。

 これらのツールを併用すれば、企業や組織の能力が飛躍的に向上し、データセンターの効率的な管理とサービスレベルの達成の期待に応えることができるだろう。

プロアクティブなコントロールを

 IT環境には今後も多様なOS、アプリケーション、データベース、ストレージが存在し続けるだろう。企業はクラス最高のソリューションを使おうとすることから、それは当然の流れと言える。しかし、多様であることには複雑さという代償が伴う。コストが激増し、しかもサービスレベルは低下する限界点に達した組織も存在する。データセンターのインフラを管理するための、新たなアプローチが必要とされる時期が訪れたことは明らかだ。

 幸いなことに、ツールセットから新たなアプローチが得られるようになった。サポートするプラットフォームの範囲が広がり、ストレージ、サーバ、データベース、アプリケーションを個別に管理しなければならないという時代は終わりを告げようとしている。これらツールを使用することにより、企業や組織は状況をただ眺めているだけでなく、積極的な行動を起こせるようになったのだ。

 これは受動的な監視ではなく、アクション可能な管理が行われることを意味している。これまでインフラの個々の部分を管理していた多数のポイント的ツールを置き換えるとともに、データセンター全体の業務を簡素化、コストと複雑さの軽減、管理とコントロールの向上、情報とアプリケーションの保護強化が、複雑化したデータセンターにおいても可能になったのだ。

クリス ヘガーマン(Kris Hagerman)

シマンテック コーポレーション データセンー マネジメント グループ担当グループ プレジデント



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