日立ソフトは、携帯電話からリアルタイムにアクセスできるGIS製品を2007年に発売する。
日立ソフトウェアエンジニアリングは12月13日、携帯電話とリアルタイムに連動して地図情報や業務情報などを活用できるGIS(地理情報システム)「GeoMation/ケータイ」を発表した。
従来のGeoMationでは、社外業務で地図データや業務情報を使用する場合に、事前にPDA端末へ必要データを取り込む必要があった。現場で入手した情報をGISに反映させるのもいったん社内PCを経由するため、GISとモバイル機器の連動には手間が掛かっていたという。
GeoMation/ケータイでは、携帯電話に自社の業務アプリケーションをダウンロードしてGISにアクセスするだけで、必要な地域の地図情報や業務情報、顧客情報を現場で入手できる。また、現場から営業結果やインフラ設備の状況といった業務報告を位置データ(緯度経度)や写真とともにGISへ送信することができる。
これにより、例えば営業では外回り活動の準備時間を短縮して顧客対応の時間を拡大することができる。設備管理業務では、文字と写真データから設備の詳しい状況を確認でき、正確性の高い作業指示を現場に出すことができるようになるという。
GISへの接続には、SSL通信とベーシック認証、またNTTドコモの「ビジネスmoperaアクセスプロ」やKDDIの「BREW link」などの専用線接続サービスを利用でき、セキュアな通信環境を確保している。
当初の対応端末は、NTTドコモの「903i」シリーズおよびKDDIのW42CA、W43H、W43SAで、順次拡大する予定。ウィルコムやソフトバンクモバイル端末への対応については、「ビジネスユーザーの動向を見て検討していきたい」(同社)としている。
利用には、携帯電話で使用するアプリケーションソフトのほか、センター側にGeoMation環境(GeoMation Server、GeoMation WebMapEngine、DBMS、Webサーバ)が必要。価格は応相談だが、100ユーザーの場合で月額71万4000円(税込み)。2007年3月1日から販売を開始する。
盛永啓志執行役(公共システム事業部長)は、「社会インフラの保守・メンテナンスや防災分野に加え、金融や不動産分野など外販活動の多い企業の業務を支援したい」と話す。GeoMation/ケータイを含むGeoMation事業全体で、今後1年間で5億円の売上げを見込む。
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