Sun Labsがオンラインゲームに注目?(1/2 ページ)

SPARCやSolarisなどの研究に取り組んできたSun Labs。同研究所は現在、新たな検索エンジンや分散会議の効率改善、それにオンラインゲームなどの開発に取り組んでいる。

» 2006年12月26日 09時44分 公開
[Jeffrey Burt,eWEEK]
eWEEK

 Sun Microsystemsは、研究開発に年間約20億ドルの資金を投じており、その対象はSPARC/x86サーバシリーズやSolaris OS、ストレージデバイス、Java開発用製品など多岐にわたる。

 研究開発資金の約10%は、同社の研究所に割り当てられる。Sun Labsで副社長兼Sunフェローの肩書きを持つロバート・スプラウル氏によると、同研究所では、研究者がさまざまなプロジェクトに取り組み、開発成果の一部あるいは全部が商用製品に採用されることを目標としているという。

 「当社ならびにこの業界は、基礎的な技術開発に大きく依存している」とスプラウル氏は語る。

 Sun Labsの研究施設はマサチューセッツ州バーリントンとカリフォルニア州メンロパークにあり、これらの施設に勤務する約150人の技術者は通常、同時に数十件のプロジェクトに携わっている。

 12月初め、スプラウル氏をはじめとする技術者たちは、Labs部門で取り組んでいるプロジェクトの一部およびその技術をビジネスに応用する方法を、数名のメディア関係者とアナリストに紹介した。

 これらのプロジェクトは現在、プロトタイプの段階であり、今後さらに発展するという保証はない。しかし自動車メーカーが毎年披露する試作車と同じく、これらの技術の一部が商用製品に採用される可能性は高い。

 プロジェクトの2つは、より良い検索エンジンの開発にフォーカスしたものだ。Sun Labsの高度検索技術グループの主任研究員、スティーブ・グリーン氏によると、企業で作成される情報の約85%は構造化されておらず、ナレッジワーカーは情報を探すのに業務時間の約25%を費やしているという。

 グリーン氏のプロジェクトの目標は、検索技術の効率を改善することである。

 グリーン氏はAmazonを例に取り、顧客が本を検索すると、Amazonの検索エンジンは、ほかの顧客がその本と一緒に注文した本のタイトルも示してくれることを指摘した。「問題は、2冊の本を同時に購入したからといって、それらが同じような系統の本であるとは限らないことだ」と同氏は指摘する。

 同氏が開発中の検索エンジンは、特定のキーワードを使って本を相互にリンクするため、より密接に合致する可能性が高くなる。この考え方を企業の業務データに応用すれば、情報を検索するのが容易になるかもしれない、と同氏とスプラウル氏は話す。

 「検索技術の最終的な目標は、分類する労力を削減することだ」(スプラウル氏)

 もう1人の主任研究員であるポール・ラメール氏は、このアイデアを「Search Inside the Music」というプロジェクトで利用している。「iPodや携帯電話などのデバイスに保存された膨大な数の曲に対して、ユーザーが容易に検索できるようにするのが目標だ」とラメール氏は話す。

 この技術は、曲の構成や楽器に基づいて類似性を見つけることにより、ユーザーが似通った曲を簡単に分類できるようにするというもの。

 ラメール氏が開発したプロトタイプは、ビジュアル効果も備えている。これは、さまざまな色の星が空間を漂っているような感じで、それぞれの色がラップやカントリー、ロック、クラシックといった音楽ジャンルを表す。ユーザーが1つのドットをクリックすると、曲名とアルバムアートが表示される。

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