日本HPは、中小規模企業のストレージ統合を促進する新ストレージ「StorageWorks AiO」を発表した。これまで約500万円かかった構成や機能を100万円程度で実現できる同製品で、中小規模企業のストレージ市場の攻略を狙う。
日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は1月18日、中小規模企業のストレージ統合を促進する新ストレージ「HP StorageWorks All-in-One Storage System」(StorageWorks AiO)を発表した。1つのボックスでiSCSIによるSAN接続とファイルサービスの提供できるほか、データの移行や拡張、バックアップといった管理機能をすべて単一の管理ソフトから行える。既存の製品では約500万円かかった構成や機能を100万円程度で実現できるというのが売りだ。
2006年5月に行われたガートナーの企業規模別ストレージ技術採用動向によると、中小規模企業のネットワークストレージの採用はまだほとんど進んでいないのが現状。既存のIPネットワークを活用できるiSCSI対応ストレージも登場し、中小企業にもSAN導入の敷居は下がっているが、iSCSI導入済みや3年以内に導入予定の技術として挙げている企業は4.5%と活性化していない。
「中小規模企業を元気にしたい」と語る日本HPでは、中小規模企業でネットワークストレージが普及しない理由を「一声300万円」といわれる投資負担と、ストレージ管理の知識を持たないIT管理者が多いことにあると分析。「低価格」「簡単」をコンセプトに、中小規模企業に適したオールインワン型のストレージシステムを提案する。
新製品のStorageWorks AiOはOSに「Windows Storage Server 2003 R2」を搭載。すべてのデータ管理を単一の管理インタフェースから行えるのが特徴。アプリケーションのデータ移行やストレージの割り当て、ダイナミックな拡張、バックアップの設定はウィザードを通じてHPの持つベストプラクティスに基づいた設定ができ、Exchange ServerやSQL Serverなどのアプリケーションと連携を取りながら必要なタスクを自動実行できる。
日本HPストレージワークス製品本部プロダクトマーケティング部担当マネジャーの瀧澤一彦氏は「Exchangeのメールストア容量を拡張するには、6つのインタフェースを使って30ステップ以上の操作が必要。それがAiOでは、ウィザードを利用して10クリック以下で設定できるようになる」とアピールする。
StorageWorks AiOシリーズには、SATAを1.5Tバイト搭載したモデルとSCSIを876Gバイト搭載した2モデルをラインアップ。価格はそれぞれ、81万9000円、102万9000円となっている。1月下旬から出荷を開始する。
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