「われわれは仲良しクラブじゃない」――MIJSコンソが活動の成果を約束(1/2 ページ)

国産ソフトウェアベンダーが海外進出をゴールに結成したMIJSコンソーシアムは、初のカンファレンスを開催、現実的なアプリケーション連携で活動成果を出すとした。

» 2007年02月02日 08時00分 公開
[谷川耕一,ITmedia]

 2005年8月に発足したMIJS(Made In Japan Software)コンソーシアムが、活動の中間発表ともいえる大規模なカンファレンスイベントを都内で開催した。午前中に行われた基調講演には1500名以上の参加者が訪れ、市場における「日本発ソフトウェアパッケージ」への期待の大きさをうかがわせた。

 通常のIT系イベントとは異なり、今回のMIJSカンファレンスには、明らかにマネジメント層以上と思われる参加者の姿が目立っていた。実際に企業で何を導入したらいいのか、その際の選択肢として日本のソフトウェアパッケージを冷静に見極めたいという考えの表れだろうか。

画像 「MIJSはシナジーを生む共通基盤である」と語るMIJSコンソーシアム理事長、松田孝裕氏

 イベント開催に合わせて行われた記者説明会で、ソフトブレーン代表取締役社長でMIJSコンソーシアムの理事長を務める松田孝裕氏は、説明会の冒頭、活動状況を次のように説明する。

 「参加者から『MIJSは仲良くやっているのか』『実際は各社の間でいがみ合い蹴り合いになっているのでは』という質問があったが、月に1度のペースで実施している理事会は、2時間あまりのほとんどがケンカ状態。しかし、世界に向けて日本のソフトウェアの優秀なところを発信していくのだという、MIJS本来の理念や狙いに立ち戻ることで、結果的にはいつも意見がまとまっている」

 コンソーシアムの技術部会には、技術者が忙しい中時間を作り、手弁当で積極的かつ真剣に活動に臨んでいる。それに対し、参加企業の代表者というある種くせのある人たちの集まりとなる理事会は、それぞれのMIJSへの期待や思惑があり、議論はそうそう簡単には収拾しない。とはいえ、共通の目的や理念の下、不思議と収束するのだという。けんか腰になるというのは、むしろベンダー各社がMIJSの活動を今後の自社のビジネスを方向付けるものととらえている証拠とも受け取れる。

 MIJSコンソーシアムの参加企業は現在18社。現時点でもいくつか参加を希望する企業があり、2007年夏までには25社程度に増える予定だ。「参加条件の敷居を高くしていると自分で言うのもおこがましいが、MIJSに参加するには初期段階で200万円以上の費用が掛かる。真剣にMIJSの活動に取り組もうという企業でなければ、なかなか参加できるものではない。ただ集まって、酒を飲んでという仲良しクラブではない」(松田氏)。

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