通常、PCにLinuxをインストールするときは、次のような操作を行うことになります。
しかし、coLinuxではこの手順を実行できません。coLinux上でディストリビューションのCD/DVDを起動するためには、coLinux上で動作できるインストーラ(正確にいうとインストーラのコアとなるLinuxカーネル)がCD/DVDに含まれていなければなりませんが、現状はそうなっていないためです。
この問題に対応するため、coLinux上で起動できる「coLinuxのインストーラ」を配布しているサイトも存在しています。2006年3月時点では、以下のディストリビューションに対応しており、もし使用したいディストリビューションがこのリストに含まれているなら、それを使うのが最も簡単だと思われます。
また、Ubuntu Linuxの日本語化を行っているUbuntu Japanese Teamでも、バージョンは少し前のものですが、独自に作成したUbuntu Linux 5.10対応版coLinuxイメージを用意しています。
http://www.ubuntulinux.jp/download/5.10
coLinuxはネットワークをサポートしていますが、インストール時点では設定がなされていない状態です。ネットワークはNAT構成か、ブリッジ構成を取れます。今回は図4のようなNAT構成と図5のようなブリッジ構成の作り方を紹介しますが、それぞれ次のような特徴があるので、使用目的に合わせてどちらかを選べば良いでしょう。
coLinuxをインストールしたことで、Windowsのネットワーク接続」には「ローカルエリア接続2」というアイコンができています(図6)。これをダブルクリックして[プロパティ]をクリック、[インターネットプロトコル(TCP/IP)を選んで[プロパティ]をクリック、何ができているのかを確認しておきます。
ではWindows側のNAT設定を行います。「ネットワーク接続」から「ローカルエリア接続」を選び[プロパティ]をクリックすると、図7のような画面が現れます。「詳細設定」タブをクリックすると「インターネット接続の共有」という欄に「ネットワークのほかのユーザーに、このコンピュータのインターネット接続をとおしての接続を許可する」というチェックボックスが現れます。これがNATのための設定ですので、チェックボックスをオンにしましょう。すると、次のような確認メッセージが表示されるので、[はい]をクリックします。
インターネット接続の共有を有効にすると、このコンピュータのLANアダプタが使用するIPアドレスは192.168.0.1に設定されます。このコンピュータは、ネットワーク上のほかのコンピュータに接続できなくなる可能性があります。ネットワーク上のほかのコンピュータが静的IPアドレスを持っている場合は、IPアドレスを自動的に取得するようにする必要があります。インターネット接続の共有を有効にしますか?
いささかあいまいなメッセージで何を言いたいのか分かりませんが、とにかく前述の「ローカルエリア接続2」のIPアドレスを確認すると、「192.168.0.1」になっています。次はcoLinux上にインストールされたLinuxの設定です。coLinuxを起動し、Linuxにログイン、次のように設定します。
IPアドレス:192.168.0.2
サブネットマスク:255.255.255.0
デフォルトゲートウェイ:192.168.0.1
優先DNSサーバ:172.16.0.10
NAT構成で設定した「インターネット接続の共有」を解除し、2つのネットワーク接続を選択状態にした上で右クリックします。すると、「ブリッジ接続」というポップアップが表示されるのでこれを選択。 新しく「ネットワークブリッジ」というアイコンが表示されるので、右クリックして「インターネットプロトコル(TCP/IP)」のプロパティを開き、次のように設定します。
IPアドレス:192.168.1.1
サブネットマスク:255.255.255.0
デフォルトゲートウェイ:192.168.1.2
優先DNSサーバ:172.16.0.10
Linuxは次のように設定しましょう。
IPアドレス:192.168.1.5
サブネットマスク:255.255.255.0
デフォルトゲートウェイ:192.168.1.2
優先DNSサーバ:172.16.0.10
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