社員の活力を引き出す秘訣はモバイルにあり(1/2 ページ)

移動先や自宅で安全に仕事ができれば業務効率と生産性が高まる。だが情報漏えいやウイルス感染も怖い。モバイル環境を使いこなす企業はどのように考えているのだろうか。

» 2007年02月26日 21時38分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 日本システムディベロップメント(NSD)は2月26日、「事例からみるセキュアモバイルセミナー 2007」を開催した。社員の生産性向上につながるモバイル環境の導入とセキュリティをテーマに、ユーザー企業の導入事例が紹介された。

 冒頭、NSD第8システム本部の小林剛一部長は、「これまでのセキュリティ対策は、PCの持ち出し規制など『禁止する』ことをテーマとしていた。社員の生産性を高めるとして企業のモバイル導入が進み、今後は『利便性を高める』セキュリティに関心を持っていただきたい」と挨拶した。

photo1 日本システムディベロップメントの小林剛一部長

 NSDは、モバイル向けのVPN検疫システム「Secure Mobile Platform」を展開している。同システムでは、OSやセキュリティソフトの検疫機能のほか、複数の場所を移動しても同一のIPアドレスを利用できる「Mobile IP」に対応する。移動先でも移動前に行っていたセッションを継続できるため、移動時に中断した作業を移動後に再開できるといったメリットがあるという。

ノートPCが4割のバンダイネット

 携帯電話向けWebサイトなどを手掛けるバンダイネットワークスは、社内PCの4割をノートPCが占める。「新規コンテンツを早朝に立ち上げるケースが多く、深夜作業のために企画や開発担当者が自宅へ持ち帰ることが多い」(情報システムチームの大月拓サブリーダー)という。

photo2 バンダイネットワークスの大月拓氏

 ウイルス対策ソフトは導入済みだったが、社員が使う機種やアプリケーションはバラバラで、定義ファイルの更新などを全社員に徹底させることが困難だった。「PCの外部利用はウイルス感染の危険が高まるが、仕事の効率化には欠かせない。そこでモバイル環境でもセキュリティレベルを維持できる検疫システムに注目した」(大月氏)と導入経緯を話す。

 検疫システムを導入した結果、セキュリティ対策が徹底されていないPCの発見がしやすくなった。また許可されたPCで外部からファイルサーバへのアクセスを認めるようにしたという。

 「多種多様なクライアント環境のため、最初はインストール作業やシステムの稼働に戸惑ったが、今ではPCの外部利用に対する社員の安心感や利便性が大いに高まった」と、自社でのモバイルセキュリティの状況を説明した。

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