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» 2007年03月05日 07時00分 公開

第1回 Instant Railsで始めるWindows環境のRailsRuby on Rails究極指南(2/2 ページ)

[高橋征義,ITmedia]
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Windows環境でのRails

 ここでは、「MySQLなどのインストール作業を考えなたくない」というライトなWindowsユーザーのために、Windows環境でRailsを簡単に試せるアプリケーションInstant Railsを紹介します。

 Instant Railsは、表1のソフトウェア*をまとめて導入してくれる便利なパッケージです。現在はWindows用しかありませんが、将来的にはLinuxや*BSD、Mac OS X用のパッケージもリリースされる予定のようです。

表1 表1 Instant Railsに含まれるソフトウェア

簡単パッケージInstant Rails

 Instant Railsを導入する際は、前述のサイトからリンクをたどって最新版アーカイブを取得します。2007年2月末時点での最新版は1.5(InstantRails-1.5-win.zip)です。

 実際の導入作業は取得したファイルを適当なフォルダに展開するだけですが、ここで注意すべきは展開場所のフォルダ名です。展開フォルダ名に空白文字が入っていると正しく動作しないので、例えば「C:\InstantRails」などに展開する必要があります。なお、Instant Railsは頻繁にバージョンアップを繰り返しているので、わたしはバージョンの区別のために「InstantRails-1.5」というバージョン番号付きのフォルダ名にしています(図2)

図2 図2 取得ファイルを展開したところ

メインウインドウでのサーバソフトウェアの管理

 それでは、実際にRailsを使ってみましょう。

 InstantRails.exeをダブルクリックすると、「Instant Railsのディレクトリが変更されたので、設定ファイルを再生成しますか?」という意味の質問が表示されます。ここで[OK]ボタンをクリックすると、Apache HTTP Server(以下Apache)とMySQLなどの設定ファイルが自動的に書き換えられてメインウインドウが表示されます(図3)。ApacheやMySQLの停止/再起動などは、メインウインドウの[Apache]ボタンや[MySQL]ボタンをクリックして表示されるメニューの中から行います。

図3 図3 Instant Railsの起動

Railsアプリケーションの実行

 Instant Railsには、実行可能なRailsアプリケーションのサンプルが2つ用意されています。その1つ、Cookbookを実行してみましょう。

  • Webサーバとして何を利用するか

 Instant RailsでRailsアプリケーションを実行するには、以下の2つの方法があります。

  • Mongrelを使って実行する
  • Apacheを使って実行する

 Mongrelは、Instant Rails 1.1から追加されたWebサーバツールキットで、それ以前はWEBrickが用いられていました。前者がこのMongrelでRailsアプリケーションを実行する方法です。後者では、ApacheのWindows版でRailsアプリケーションを実行します。さらに、Apacheを利用する場合、一般的にはCGIを使うものとmod_rubyを使うもの、FastCGIを使うもの、SCGIを使うものなど複数の方法がありますが、Instant Railsの標準ではSCGIを使うように設定*されています。

 なお、Cookbookは、development環境もproduction環境もtest環境も*、すべて同じデータベースで動くようになっています。テスト環境ではテーブルの中身を作ったり、捨てたりしながら動かすものなので、これと開発環境や本番用の環境が一緒になっているのは少し問題がありますが、テストということで気にせず実行してみましょう。

  • Mongrelを利用する場合

 メインウインドウの左上にある「I」ボタンをクリック*すると、メインメニューが表示されます。この中から[Rails Applications]?[Manage Rails Applications...]を選択すれば、現在登録されているRailsアプリケーションが表示されます(図4)

図4 rorzu4.jpg

 あらかじめ登録されているのは、簡単なサンプルであるCookbookと、blogアプリケーションであるtypo*です。CookbookをMongrelで実行するには、Rails Applications画面で「cookbook」にチェックを入れ、[Start with Mongrel]ボタンをクリックします。すると、ruby.exeのコンソールウインドウが開かれ、Mongrelによるサーバの実行ログが表示されます(図5)。これによって、選択したRailsアプリケーションがMongrelで起動されたのが確認できるはずです。

図5 図5 MongrelによるRailsアプリケーションの起動

 Webブラウザで「http://localhost:3000/」にアクセスすれば、リダイレクトされた後、Cookbookのトップページが表示されます(図6)

図6 図6 Cookbookのトップページ
  • Apache(SCGI)を利用する場合

 せっかくなので、Apacheによる実行も試してみましょう。

 ApacheではVirtualHostでアプリケーションとディレクトリの結びつきを設定しているため、アクセスする際にドメイン名を指定する必要があります。そこで、たとえlocalhostへのアクセスであっても、特定の名前でアクセスできるようにしなければなりません。Cookbookでは「www.mycookbook.com」というドメイン名を指定することになっているので、メインメニューから[Configure]-「Window's Hosts File」を選択して、

127.0.0.1       www.mycookbook.com


という行を追加します。すると、「www.mycookbook.com」というホスト名*でlocalhost(127.0.0.1)にアクセスできるようになります。Webブラウザからは、先ほどと同様に「http://www.mycookbook.com/」へアクセスするとCookbookの画面が表示されるはずです。

次回は

 さて、いくらRailsが「less code」をキャッチコピーに使っているとはいえ、まったくコードを書かなければ何も起きません。実際にアプリケーションを作るには、コードを書くための環境が必要です。次回は、Rails専用の統合開発環境である「RadRails」を取り上げて、導入から使用法までを解説します。

このページで出てきた専門用語

表1のソフトウェア

PHPは、MySQL管理ツールphpMyAdminを動作させるためだけにインストールされる。

SCGIを使うように設定

CGIはよほどの制限がある場合以外は使われないのと、mod_ruby(ApacheのRubyモジュール)は標準でメモリが消費されることもあり、一般的にはCGIの起動オーバーヘッドを回避できるFastCGIが好まれている。SCGIは比較的新しい技術で、FastCGIをよりシンプルにしたもの。

development環境もproduction環境もtest環境も

Railsには、アプリケーション実行時の環境として、development、production、testという3つが想定されている。developmentは開発環境で、productionは本番稼働用の環境、testはテスト用の環境。それぞれ、環境変数RAILS_ENVで指定する(デフォルトはdevelopment)。

「I」ボタンをクリック

Altキーを押すことでも同様にメインメニューが表示される。

typo

Railsの公式blogでも使われている本格的なツール。導入方法など詳細については今後解説します。

「www.mycookbook.com」というホスト名

このホスト名は実在するため、hostsファイルの設定を間違えると、そちらのサイトへアクセスするので注意が必要。


本記事は、オープンソースマガジン2006年3月号「Ruby on Rails 1.0の世界」を再構成したものです。


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